女らしく【03】『過去と思い出と恋心』-6
「ほんと…変わらないよなお前……」
上着を大和に返して、また独り言の様に続ける…
「なあ…大和。お前…まだオレのこと好きか?」
大和は答えない…
「なあ…大和。オレは今でもお前のことが好きだぞ……」
そして…投げ出された大和の手に指を絡ませようとした…
瞬間!
ガラッ…
「Oh〜、大和。此所にいたんデスカ!」
教室の扉が勢いよく開き、見慣れた白衣と片言の男──博士が入って来やがった!
「あっ…マコト…
スミマセン、ゴメンナサイ!
いや、わざとじゃないんデスヨ!知らなかったんデス!
ち、ちょっと…ま、マコトさん?何でそんなに怖い顔してるんデスカ!我輩、まだ何もしてないデスヨ!
だ、誰か!たす…助けて!Help!Help me〜!!」
ガシッ…
ギュウゥゥゥ…
「ちょっ…やめっ……首が……苦しぃ……あっ…三途リバーが……」
ガクッ……
「………」
死んだか?
……いや、生きてる…ちっ、しぶとい奴だ…
人の幸せをぶち壊しやがって…
「……ん〜…あっ、マコトおはよ…」
ようやく大和が起きたようだ。
まったく、お前も何がおはようだ…
「…何で博士がそこで倒れてるんだ?」
「知らねぇ……」
「…?まあいいや、それより腹減った……学食に何かあるかな?
なあ、マコト。一緒に行こう」
本当に睡眠欲と食欲しか無いのかコイツは…
「ほら、何してんだよ!行くぞ!」
いきなり、大和がオレの手を握り引っ張る。
「うわっ!ちょっと大和!!」
「早くしないと何にも無くなっちまう!」
本当にコイツは変わらない…
…でも、そんな大和に惚れてんだよなぁ………
さっきは邪魔されたけど今度は……
大和の手に指を絡め、ギュッと握る…
大和…オレはずっと前から大和のことが好きだからな……
だから…これからも一緒にいてくれよ………
続く…