女らしく【03】『過去と思い出と恋心』-5
「…オレも初めての友達がお前だよ……
だから、今日来なくて不安だったんだ…
もしかして嫌われたのかもって…」
少しだけ本心を明かしてみた。
「何言ってんだよ。俺がマコトを嫌うわけないじゃないか。
俺はマコトのこと好きだぞ」
ドクンッ……
「ええっ!…それって…あの…えっと…その……あぅ…ぇ……」
「どうしたんだよ?俺、変な事言った?」
「あぅ………」
一応、恋愛というものがあるのは知っていた。
でも、自分には関係の無い話だと思っていた。
けど…今は何となく恋というものが分かる……
オレ……コイツの側にいたい…
オレ……コイツのことが好きだ…
「本当にどうした?」
「…オレも……オレも大和のこと好きだから!」
勇気を出して答える…
大和は一瞬キョトンとしたが、すぐに笑って
「ありがと♪」
とだけ返した。
「な、何で笑うんだよ!」
「だってさぁ、マコトすごく真面目な顔するから…」
「もういいよ!……こっちは本気なのに………」
今までオレのことを好きだと言ってくれた奴なんて一人もいなかった…
けど…大和は好きだと言ってくれた。
多分、友達として好きだと言ったんだと思う……
けど……オレにはそれだけで十分だった…
強くなりたい!
早く強くなれば、大和を式に…いや、大和のパートナーなれる!
そうすれば、これから先もずっと側に………
…
……
………
「……んん〜…アレ…いつの間にか授業終わってたのか…」
見れば教室内は夕焼け一色に染まっている。
「何だか変な夢を見ちゃったなぁ……アレ?」
何やら暖かいと思ったら、肩に男物の上着がかかっている。
「やっぱりお前か…大和……」
隣りでは大和が気持ち良さそうに眠っている。