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女らしく
【コメディ 恋愛小説】

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女らしく【03】『過去と思い出と恋心』-3

「な、何でまた来てるんだよ!?」
「だって俺、マコトの式だし、一緒に稽古しろって言われてるから」

コイツ…昨日やられたこと覚えてないのか!?

「……そうか、じゃあ昨日よりも酷い目にあわせてやるよ!」

その日の稽古で昨日とは比べ物にならないくらいボコボコにしてやった。

しかし、大和は次の日も、また次の日も一日も休むことなくオレのところに来る。

始めの頃は稽古の最中に何発も殴ったりして、追い返そうとした。

けど、懲りずにまたオレのところに来る。

いい加減、馬鹿らしくなって諦めた。

仕方ないから、話をすることも増えてきた。


「イタタ…お前、本当に手加減しないなぁ……」
「大和が弱すぎるんだよ。本当にお前、鬼の一族かよ?」

大和は今日の稽古でできた痣を擦っている。

「うるせぇな、これでも強くなってきてるんだぞ。今日だってお前の蹴り躱したし…」
「あれは手加減だよ、手加減。オレが本気出せば、大和なんか一撃だね♪」

だが…仕方なく始めたはずの会話はだんだんとオレの中で重要なモノになってきている…

同い年の奴と話をしたことなんて無かった……

いつの間にか大和と話をする時間を楽しみにしているオレがいる……

こんな他愛も無い会話をすることも最近のオレにとっては心が休まる一時…


「また明日な!」
「ああ…」

夕方になるとそう言って帰っていくアイツを見ながらまた明日を楽しみにする。


本当にアイツ強くなってきてる……

この分ならすぐに抜かれるだろうな……

でも、アイツに抜かれるのは何か癪だな…

明日は少し、いじめてやるか!





しかし、この日は珍しく昼過ぎになっても大和が来ない…

「…何やってんだよ……大和の奴……」

大和がいないと稽古もいまいち味気無い……


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