妖しいアルバイト-5
「あの冴子さんに負けないように頑張ってみようかしら」
そう思うと君恵はやる気になっていた。これから相手にする人物が
どのような性癖の持ち主か君恵は知らない。
その日の相手の銀次郎という男に対する対応で君恵が試されることになる。
君恵は唐沢から渡された紙に書いてある場所に電車とバスを乗り継いで行った。
そこは落ち着いた郊外にある一軒家だった。
少し古い感じはしたが趣がある。
呼び鈴を鳴らすと扉が開き、30代くらいの男が出て来た。
「あの、事務所から派遣されて参りました君恵と申します」
その男はジロリと君恵を見て
「はい、お待ちしていましたよ、どうぞお入り下さい」
「ありがとうございます、失礼します」
居間に通されて、椅子にゆったりと座っている依頼人と顔を合わせた。
その名前は銀次郎と聞いていた。
「あの、はじめまして君恵と申します、よろしくお願い申し上げます」
その男は60歳くらいで、がっしりとしていた。
その目は、陰湿にジロリと君恵を見ていた。
「よく来てくれましたな、よろしく願います、内容は聞いていますよな」
君恵にとっては初めての客は横柄な態度だった。
その時の君恵は既に覚悟決めているので少しも気にならなかった。
「あ、はい、お客様のご要望にお応えするようにと言われております」
「なら、それで良い、性的なサービスということだ、よろしくな」
「は、はい、承知しております」
覚悟はしてきたつもりだが、初めての仕事に君恵は緊張していた。
「それなら良い、これは息子の吾郎と言います」
「はい、吾郎様もよろしくお願いいたします」
「こちらこそ」
吾郎という男はぶっきらぼうに言った。
こうして君恵は
この家で数々の破廉恥なことをされることをまだ知らなかった。
銀次郎は言った。
「来てさっそくだが、ここで裸になってくれないか」
「はい、今ですよね」
「そうだ、君の身体を見て見たいからな」
「は、はい、わかりました、少しお待ちください」
いきなり裸になれと言われて戸惑った君恵だったが
後ろを向いて着ているものを脱ぎ始めた。
花柄のワンピースを脱ぎ、ブラジャーとショーツを脱いで全裸になった。
唐沢以外の男の前で裸になるのもはじめてだった。
恥じらいながらも、これからこういうことが度々あると思った。
「脱いだら、私の前に来て立ってごらん」
「はい」
銀次郎は前に立った君恵の腰に手を回して抱き寄せた。
そして薄い君恵の陰毛の中に指を滑らせた。
指先が割れ目の中に入り込んでいく。
(あん…)
君恵は身体をよじり、身悶えた。
「そうか、まだ濡れてはいないな、君は……」
「は、はい」
「では、あのソファに座って、足を広げてオナニーするのを私に見せてくれ」
「お、オナニーですね」
「そうだよ、やってくれるよな」
「あぁ、はい承知いたしました」
君恵は頬から火が出るように顔が赤くなっていた。