夫 雅樹との世界 3-2
主導する雅樹の動きに同調する芽衣。
そんな動きがしばらく続いた後、芽衣の腰は、再び、雅樹の腰の動きに逆らうように動き始めた。
肉壺から抜けるギリギリまで抜けかかった肉棒は、雅樹が突き出す腰の動きと芽衣が突き上げる腰の動きで、一気に肉壺の奥まで突き刺さる。
互いがぶつかり合う動きをすることで、芽衣も、そして雅樹も、さっきとは比較にならないほどの刺激を感じ始めた。
ふたりの「ハッ、ハッ。」という激しい呼吸に混ざって、さっきよりも大きな≪グジョッ、グジョッ≫と≪パンッパンッ≫という音が響き始めた。
「ああ、たまんない。これよ、これ。わたしが欲しいのは、これなの。」
「これか?これが欲しかったのか?」
「ああ、そう、そうよ。ずっとずっと、、、ああ、そう、こんなふうに、、、」
「なにが、欲しかったって?」
「ああ、ペニス、ペニスよ。太いペニスで、突いて欲しかったの。ずっとずっと、そう思ってたの。」
「どんなペニスでも、良かったんじゃないのか?」
「ああん、そうじゃないの。雅樹のが、雅樹のこれが、ああ、いい、イッ、最高なの。アッ、アッ、いい、わl。」
「芽衣の、匂いが、部屋中に漂ってるぞ。」
「そうよ。ずっと、ずっと、濡れてたんだもの。メスがオスを誘う匂いよ。ねえ、凄い。いいわ。ねえ、ねえ、アッ、アッ、また、あ、い、い、、ちゃ、、うぅっ。」
芽衣の体と雅樹の体が当たるたびに、互いの汗がはじけ飛ぶ。
2匹の獣の交わりは、いつ果てるともなく続いた。
≪数日後、話は意外な方向へ。。。≫
あの、混乱の日、とでもいえるような日から数日たったある日。
帰宅するなり、雅樹が、少し深刻そうな顔で芽衣に声をかけた。
「芽衣。ちょっと、こっちへ座ってくれ。あ、ビールも、持ってきてくれないか?グラスは2つ。」
キッチンで片付けモノをしていた芽衣は、
(会社で何かあったのかしら。それにしても、ビールぐらい、自分で取りにくればいいのに。)と思いながら、手を拭き、冷蔵庫からビールを取り出すと、ダイニングへ移った。
そして、戸棚の中からグラスを取り出し、雅樹の前に座った。
「どうしたの?会社で何かあった?」
芽衣がそう聞くと、雅樹は自分でグラスにビールを注ぎながら、
「まあ、なにかあったか、って言えば、何かあった、っていうことになるかな。」
と答えた。
何か困ったことを切り出すときにどうにも歯切れが悪くなるのは、昔から雅樹の悪いところだ。
「今更、遠慮もないでしょ?どうしたの?」
そう言ってから、芽衣もグラスにビールを注ぎ、一気に飲み干した。
「ああ、美味しい〜。やっぱりビールは最初の一杯よね。」
「実はね。。。」
雅樹が重い口を開いた。
「今年の春、採用した子たちのことなんだけど。」
「何か、まずいことでもしでかしたの?」
「いや、彼女たちは、まだ研修中だからね。まずいことはやらかしようがない。まだまだ責任のない立場だからね。」
「じゃあ、雅樹がやらかしちゃったの?例えば。。。その研修中の女の子の誰かに手を出しちゃった、とか。。。は、前から、よねえ。」
芽衣はどさくさに紛れて、普段から思っていることを口にした。
「い、いや、た、確かに、じゃない、えーと。。。どこまで話したっけ?」
「どこまでもないわ。まだ、話し始めたばかりでしょ。」
雅樹が明らかに動揺していることを芽衣は感じ取っていた。
(やっぱり、女性関係ね。会社にばれた、とか、えっ?もしかして、妊娠?)
雅樹が黙っている間、芽衣の頭の中はフル回転で、勝手に想像し始めていた。
「芽衣。変な想像、してるんだろう?」
雅樹はコップの中のビールを飲み干すと、話し始めた。
「芽衣、おそらく君の想像は外れだ。どうせ、会社にばれたとか妊娠させたとか、思っているんだろ?どれも外れだ。」
芽衣は、しばらくグラスを見つめていたが、はっと気づいて顔を上げた。
「ねえ、雅樹。会社にばれたのかしらとか、妊娠させたんじゃないかしらとか、確かに想像してたけど。研修中の女の子に手を出したっていうことは否定しないの?」
「手を出した?ああ、そうか。それも否定しなくちゃ。」
「じゃあ、いったいなんなの?」
「いや、会社にはばれないようにやっているし、万が一ばれても大丈夫なようにはしてある。妊娠なんてさせないようにちゃんと考えているよ。ピルを飲ませるとか。」
「そう、だったら、なんの心配も、って、ちょっと待って。ちゃんとやってる?今さっき、女の子に手を出したっていうのは、否定したじゃない。」
「ああ、したよ。確かに。」
「でも、今、ばれないようにしてある、とか、ピルを飲ませている、とか。。。」
「ああ、でも、それは当然のことだろ?いろいろな問題を家庭には持ち込みたくないし。彼女たちの人生もある。」
「でも、女の子には手を出していないって。。。」
「ああ、研修中の女の子は、3人いるからね。」
「って、、、つまり、。。。」
「そう。研修中の女の子に手を出した、ではなく、研修中の、女の子たち、に、手を出した、っていうことさ。」
「女の子、たち。。。3人とも、っていうこと?」
「いや、今のところは2人だ。」
「2人。。。女の子たち。。。研修中の。。。」
「うん。で、相談、って言うか。。お願い、って言うか。。。」
「。。。」
「芽衣、聞いているかい?」
「えっ?ええ、聞いてるわ。」
「で、相談って言うか、お願いって言うか。。。」
「そこまでは、さっき、聞いたわ。」
「そうか。じゃあ、はっきり言おう。」
芽衣はビールをウイスキーに代えて座りなおした。
「飲まなきゃ聞いてられない。で、どうしたの?」
「あのさ、ぼくたち、そろそろ。。。今の生活から卒業しないか?」
あまりにも突然の話に、芽衣は言葉を失った。