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Happy Days
【コメディ 恋愛小説】

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Happy Days〜再会の日〜-3

電車を降り、晃と姫乃とは途中で別れて一人で帰る。
三人で歩くのは好きだが一人で歩くのも好きだ。
のんびりと歩いて帰っているとちょうど交差点の反対側に、この間晃がナンパしていたコがいた。
横には大学生くらいに見える背の高い男…、彼氏かな?
まぁ、あれだけ可愛ければ彼氏くらいいるよな…。
自分で思った事に、何故かちょっとショックを受けた。
向こうもこちらに気付いたみたいで満面の笑みで手を振ってる。
「こんにちは♪」
交差点を渡りきった所で呼び止められた。
「由衣、友達か?」
「あぁ、うん。先言ってて」
彼氏を先に行かせる…、って事は少し話をしたいって事かな?
「この間はどうも♪」
「いや、俺は何もしてないよ」
これは本当。
悪い事をしたのが晃で、それを退治したのが姫乃だ。
「あの…、私の事…、覚えてます?」
「まぁ、一週間前の事だしね」
そこまで記憶力が悪いつもりはない。
「いえ…、そうじゃなくて…」
「ん…?」
「……いえ、何でもないです♪」
苦笑する彼女…。どうかしたのだろうか?
「それより、この間はお礼を言いそびれてしまって…。私、川上由衣(カワカミユイ)といいます♪」
由衣…? 覚えのある名前だな…。
「俺は神田蒼。蒼でいいよ」
「わかりました蒼くん。私も由衣でお願いしますね♪」
「あぁ、よろしく!」
ここまでにこやかに自己紹介を済ませてしまったが、一つ重要な事を忘れていた。
「そういえばこの間、何で名前知ってたんだ…?」
「えっ!?」
途端に由衣さんの表情が変わった…。
焦っているように見えるんだけど。
「それは…、ほら。背の高い方が名前を言ってたので!」
言ってたっけ…? 言ってたにしても君付けで呼ぶかな?
まぁ、あまり聞かない方が良かったみたいだし、これ以上追及しない方がいいか。
「そっか、なるほど!」
「あ、そろそろ行かなくちゃならないので…、失礼しますね♪」
そそくさと去って行く由衣さん…。
まぁ、詮索してても始まる事じゃないし、今はとりあえずまた会えたってだけでいいか。

少し足取が軽くなった気がした。
あれだけ可愛いコと知り合えたんだしな、気分が良くなるのは当たり前だ。

しかし蒼は程無くして思い出し、落胆する事になる。
彼女の隣にいた男の存在を…。


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