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女らしく
【コメディ 恋愛小説】

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女らしく【02】『デートと仲間と邪魔者』-2

この中では唯一パートナーがいない。

「お姉様!会いたかったですぅ!」
「や、大和…助けて!」

飛び付いてくる詩乃を躱し、大和の背後に隠れる。

危ねぇ〜…間一髪だった……

「恥ずかしがらなくてもいいですよ♪あっ、もしかしてツンデレってやつですか?
そうなんですか?そうなんですよね!」

嫌になるくらい瞳の中に星を散りばめながらオレに詰め寄って来る。

ううっ…コイツはどうも苦手だ……
噂だとそっちの気もあるようだし…

「やめてやれよ。マコトが嫌がってるだろ」
「むっ…退きなさい。私のお姉様を返しなさい!」

ちょっと待て!何時からオレはお前のものになったんだ!

「詩乃はワタクシ達と一緒に行きますわよ」
「やめて!離して!私のお姉様が……あの野郎噛み殺してやる!」

大和に禍々しい呪詛の言葉を吐きながら、奏に引きづられていく。

「そんなに嫌いなのか?」
「嫌いじゃないけど……何か苦手って感じだな……あのノリがさぁ……」
引きづられていく詩乃を見送りながら、大和の問いに答える。

でも、そんなことよりも…
そんなことよりも!

「何で…みんながいるんだよ……」
「俺が誘ったんだ。この前、一人じゃ嫌だって言ってただろ?」

…それは、お前と二人で出掛けたいってことなのに…

大和の……馬鹿…

「…駄目だったか?」

大和の表情が少し曇る。

「い、いや!大丈夫だぞ!こういうのは多い方がいいよな!」

本当は大和と二人だけが良かったけども……

「まあ、とりあえずは飯食いに行こうか」

でも、みんなだってオレの恋心を知ってるなら少しは遠慮してくれたっていいじゃないか……

「おーい、マコト?」

それに大和も大和だ!
オレの気持ちにいい加減気付けよな!

ガシッ…

えっ…大和?

「ほら、行くぞ!」

一瞬、何が起こったか分からなかった。

ふと気がつくとオレの手が意思に反して動いている…

…大和がオレの手を握っている。

大和が……オレの手を!!!

ドクンッ!!

体温は急上昇!心臓は壊れたエンジンの様に脈打つ!


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