第3章-2
「お願いです、旦那様! どうか幸を捨てないでください……」
幸は目に涙をため、悠太郎にしがみ付いていた。
「私の非があるのなら改めます、何でもいたしますから、どうかそれだけは………」
実は、悠太郎は幸を初めから辞めさせるつもりはなかった、ある計画があるからだ。
それは、最近、性的に成熟した幸に対して破廉恥なことを思いついたからだった。
そのきっかけとは、悠太郎が或る会合に出かけて、
二次会で飲み交わした友人との会話だった。
行きつけの居酒屋で酒を飲み交わしながら二人は話をしている。
「悠太郎さんは、最近、顔の色艶が前にも増して良くなりましたね」
「はぁ、そうですかね、自分ではなかなか気がつきませんが」
「ええ、そう思いますよ、何かいい事でもありましたか?」
悠太郎と会話をしている男は健治と言い、昔からの遊び仲間である。
その彼は自分に劣らず相当な女好きな男なのだ。
「いや、妻が不自由なので、家事やら何やらやってくれる家政婦を雇ったんですがね……」
「ほうほう、それで?」
「実はここだけの話なんですが、家政婦がなかなか良い女なんでしてね」
「なるほど、それで?」
その話が気になったと見えて、健治は体を乗り出してきた。
「それが、最近では、私のあっちの方の世話もやいてもらっているんですよ」
「へええ! やりますな、悠太郎さん、それでその女の年齢は?」
「四十代半ば位ですかね」
「そりゃ、熟れ頃じゃないですか」
酒も入っているとは言え、ニ人の会話ますますエスカレートをしていく。
「あなただから言いますが、その相手をするのも少しきつくなりましてね、
でもまだ女を手放したくないし」
「ふうむ、なるほど、なるほど、贅沢な話ですね。ではこういう話はどうでしょうか」
「それとは?」
「私にも彼女のお相手をさせてくれませんかね」
「えっ……あなたに?」
「はい」
健治はニヤニヤしながら悠太郎の顔を見ている。
しばらく悠太郎は考えていた。
「いいでしょう、あなたとはマラ兄弟だし、でも単独ではだめですよ、私がいなくては」
「もちろんですとも、ではこの話は決まりましたね」
「女の名前は幸と言いますが、健治さんは幸にどのように?」
「ええ、私は女を縛ったりして、虐めるのが好きでしてね」
「そうでした、前にあなたに誘われてそういうストリップ劇場に行ったことがありましたね」
「はい、あの時はあなたも興奮してたじゃないですか、悠太郎さん」
「はいはい、よく覚えてますよ。それを幸に?」
「はい」
「そうですか、あの幸が縛られた姿を見たら興奮するでしょうね、健治さん」
「そうですとも、彼女を思う存分に虐めてみては? 悠太郎さん」
「なるほど、これは面白そうだ。今想像しただけでも起ってきましたよ」
そう言って悠太郎は笑いながら股間を触っていた。
「私も楽しみですよ、では、都合の良い日を連絡します」
「了解しました」
これで、どうやら怪しい会話は成立したようである。