あなたは皆と‥‥。(11)-1
(紅香と、家で一緒に勉強――‥‥)
あなたは空想した。それは、拡がっていった。家庭教師というわけではないが、彼女のほうが頭がいいのだから、実質的にあなたの家庭教師をする
「海田くん。勉強、一緒にがんばろ♡」
もともとあなたは、根気があるほうではない。というより、はっきり言って、怠け者の部類に入るほうだ。勉強が苦しく、眉根を寄せているそのあなたを、温かい体をすり寄せて励ましてくれる紅香‥‥。ごく自然の成り行きとして、あなたの目は、彼女の胸元に吸い寄せられることになるだろう。そこには、たわわなふくらみがあるのだから‥‥。
「海田くん、あんまりゲームばっかりしてちゃダメだよ‥‥」
紅香はあなたを、優しく諭してくれることだろう。
「これ解けたら、わたしの――」
温かい。そうだ。季節はもう、晩秋から冬だろう。すでにタワーマンション前の公園の木々の根元には、落ち葉がたまっているだろう。あなたの家ではすでにコタツが出されているかもしれないから、勉強はコタツで、ということになるかもしれない。
「――わたしのおっぱい、触ってもいいから‥‥」
そう迫られたら、そうしないのは不躾というものだろう。すでに飽きるほどタップリと揉んできた紅香のやわらか
いや、それよりも、控えめな彼女のことだから、
「――おっぱい、ツンツンしてもいいよ?」
と言ってくるくらいが、自然だろうか‥‥。
そういった行為もまた、女性は燃えるのかもしれない。そうすると紅香は、
「あふっ‥‥あふん♡」
と甘く喘ぐのだろうか‥‥。
紅香はまた、
「公平に、わたしの勉強も見てね♡」
と頼んでくるかもしれない。そしたらもう、
(桃香と、同じ――)
であろう。つまり、背後からおっぱい揉みまくり‥‥。
これまでの経緯からして、それはほとんど、許可されているも同然である。
「わたしじゃ学力が不安なら‥‥」
紅香は言い出す。
「お姉ちゃん――白香お姉ちゃんに頼んでみようか。わたしよりも勉強できるし‥‥。それに、お姉ちゃん、ああ見えて、桃香やわたしの家庭教師をやってくれていた時期もあるの‥‥。海田くんは変なところしか見てないかもしれないけど、あれで、真面目なところもあるの。特に、教育、勉強に関しては」
あなたは
(あの蒲生白香と一緒に勉強するとなると‥‥。それで教育熱心となると――)
紅香以上の高い確率で、あなたの家庭教師のようになるであろう。予想しないわけにはいかなかった。これまでの経緯からして、おそらく高確率で、あなたを誘惑してくるであろう、と。