あなたは皆と‥‥。(11)-2
彼女の普段は「黒くて大人っぽい下着」だと、紅香から聞いている。
「刺繍入りで、かなりエッチなの‥‥」
とも。
あなたの脳裏に、あの豊かすぎる胸元に、乳肉に、黒刺繍ブラジャーが妖しくいやらしく食い込んでいる様子が、浮かんできた。
「わたしだけじゃなんだから」
と白香は言い出して、あの家庭教師話とくっつけて、その場に桃香を連れてきたりするかもしれない。あるいはあの性格だから、桃香が自分からついてくるかもしれない。つまりあなたは、白香に家庭教師をしてもらいながら、桃香の家庭教師をする、という奇怪な展開に入ることになる。
(――昨日‥‥)
あなたは、昨夜の桃香が見せた意外な点を思い起こしていた。彼女は、蒲生桃香は、フェラが巧みだったのだ。少し癖はあるが、幼く繊細な顔を歪ませて、懸命そのものの表情で‥‥。あのような美少女に股の間でフェラしてもらうのは、あなたにとって至福の体験であった。
「このシチュエーションは‥‥成り行き的に、あれでしょ」
「うんうん。プランDだね♡」
姉妹たちはそう言い合って、各々配置につく。姉・白香はテーブルについて参考書等を広げたあなたの背後から、甘い吐息とともに、あなたの首や肩に黒ブラおっぱいもしくは生おっぱいを押しつけてくる。妹・桃香はテーブルの下に篭もり、あなたの一物を一心不乱にフェラしてくる――。
つまりあなたは姉妹たちに、上半身と下半身を同時に、別々に攻められるのだ。姉と妹のリズムは、ときに重なるが、ときにはずれるだろう。意図的にずれるのならばまだ対処のしようがあるような気もするが、意図せずバラバラな蠕動になりもするだろう‥‥。
あなたは、これに耐えることができるだろうか‥‥?
「やっぱり、俺は――」
あなたは、叫び出すかもしれない。
「ひとりがいい‥‥。――紅香が、いいっ‥‥!」
と――‥‥‥‥。
「――海田くん‥‥? どうしたの‥‥? 一緒に勉強は‥‥する?」
あなたは、ハッと我に返った。目の前には、その紅香の、どこかきょとんとした、つぶらな瞳があった。
ここは、ベッドの上だった。あなたは
「――‥‥」
あなたは返事代わりに、ベッドに腹這いの紅香の、あごを頂点にした三角形になった腕の間のおっぱいを、こちょこちょっといじった。照れ隠しだった。
「きゃ♡ ――も、もおおっ♡ 海田くんたら‥‥!」
紅香はくすぐったくてたまらないらしく、笑いながら跳ね起きた。その姿は、幸福そうであった。
紅香の笑顔に触発されたのか、あるいは勉強の話から招き寄せられたのか、あるビジョンがあなたのなかで形作られた。学校卒業後の、いわゆる進路についての。
(そうだ。ゲーム‥‥だ――)
進路に関しては、あなたはいままで、まったくといっていいほど、考えてこなかった。卒業まであと一年半以上あり、
(遠い話‥‥)
というのが、これまでのあなたの率直な思いであった。
しかしここのところ、あなたの内部で、ある仕事への興味が、漠然と形を取りつつあった。その漠然が、いまここで、はっきりと焦点を結んだのだった。
(ギャルゲ――美少女ゲーム‥‥アダルトゲームの製作者――)
と。