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夢の狭間
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夢の狭間-1

「なんだかなー」

やっと雪がとけ暖かくなってきた初春、特になにも目的はないのに、なぜか外に出ていた信は詰まらなさを声にして出す。

特に変わっていない住宅街、いつもどうり同じ場所に立っている電柱、そしてその中を歩いている自分、なぜかものすごくむなしくなった。

「なーんか面白いことでもないかなぁ」

そしてふと視界に入ったゴミをあさっているカラスを大声をだして威嚇してみる。
カラスはたいした驚きもせずゴミをむさぼっている。

なにも反応しないのに少しオレはムカついた。

そして適当にあった石をつかみ、カラスに思いっきり投げる。しかしその石はカラスには当たらず、ゴミの中に吸い込まれていった。

「ったく、何だよ。」

拾える石もないのでそのままカラスの横を通り過ぎていく。カラスは馬鹿にしたように鳴いた。

思いっきり殴りかかって行きたいトコだったが相手は鳥、飛ばれるのがオチだし、なんとか抑えておく。

カラスが見えなくなりボーっと歩く。

そういやオレ、なにしに外出たんだっけ。

と思いながら空を見る、相変わらずすっきりと青く澄んだ空、普通の人なら素晴らしい天気だぁ、とかなんとか言うと思う、けどオレにはすごく味気なく見えた。

「なーんなら、隕石でも降ってこねーかなぁ」

本気でそう思った。そしたらどうなるかなぁ、いや待てよ、まず落ちる場所ったらどこら辺だろう。うーんやっぱり広場かなぁ。

といろいろ設定を考えていると、不意に横に衝撃を感じた。

「うおっ!」

「きゃあ!」

女の子の声と同時にばさばさぁー、と紙が落ちる音が聞こえた。

そしてゴン、という重い音、オレはそのまま倒れこんでしまい、頭を打った。

やっぱりコンクリートは痛い。

オレは少し意識が朦朧としながら起き上がると、そこにはたくさんの書類とともにオレのクラスメートが倒れていた。

なんだ葉月か。

なんて言ってる場合じゃない、オレは軽かったからいいけど、場合によっちゃ救急車、、、

「うっ、うーん。」

いろいろ考えている内に意識が戻ったらしい。


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