夢の狭間-4
ププー!!!
青い車がオレめがけ一直線に迫ってきて、オレの思考は止まった。
ガタン!
オレは教室の自分の席に突っ立っていた。
「ど、どうましましたか、いきなり立ち上がって。」
そこには世界史の先生がビックリしたようにこっちを見ていた。
「い・・え、スイマセン」
とりあえず席に座る、周りの人たちもビックリしているみたいで、視線が妙に気になる。
「えー、では続きを。」
先生は黒板に書き始めた、しかしそんなことはどうでもいい、さっきのは夢だったのか?しかしイヤに現実的だったし、なんだったんだ・・・
「・・・くん!信くん、寝ちゃ駄目!ここの答えは?」
オレはまた目を開けた、意識ははっきりしている、目の前には葉月が量子力学の本で説明している・・・
オレは走り出した、なんとも言いようのない恐怖感が体の隅から隅までまで湧き出てくるかんじがする。
「あっ信くん、どこ行くのー」
うしろから葉月の声が追いかけてきたがかまわず走り出す。なぜか分からないが走っていなければこの恐怖に飲み込まれそうな気がしてなかった。
しかし図書館の自動ドアを潜ったとたん、ものすごいめまいが襲ってきた。
「くっ、くそ・・。」
体を恐怖にむしばまれる感覚のままオレの視界は真っ暗になった。
・ ・・なにかで頭をたたかれている感覚でオレの目は覚めた。
「うーん?」
目の前には真っ黒なローブを着ている爺さんが目に入った。
「ほっほう、やっとおきたようじゃの。」
そんなことよりオレは身の回りを見渡した。どこを見ても真っ白、真っ白な空間の中にオレと爺さんは浮かんでいるように立っている。
「ここは、どこだ?」
「ここか、ここはのぅ、君の夢と実際の現実の狭間じゃよ。」
「夢と現実の狭間・・」
「そうじゃ、まぁ感覚的には夢の方が近い。」
「オレを現実に戻せ」
とオレはその爺さんのローブを引っつかみ、思いっきり殺意を出しながら迫った。