夢の狭間-3
やっぱりまだ布団からはなかなか出ずらい気温だ、少しずつマシになってきたが、まだまだオレにはキツイ。
布団にくるまってボーッとしていると、カーテンは閉めてはいなかったので、太陽の光が少しずつ、オレの脳を正常に働かしてくれているカンジがする。
だいぶ意識がはっきりした所で思い切って起きてみた、朝の部屋は寒くすぐに着替えて、居間に向かった、そして何気なく時計を見る。8時20分・・・
「なんてこったー!」
毎年皆勤賞を狙っている俺には痛恨の時間だった、かばんを部屋から引っつかみ口にパンをくわえ、いかにもベタな光景で道を走る。全速力で走ればまだ間に合う。
「うおおぉぉぉー!」
とさすがに声には出さないがそんな勢いで走った。
学校が見えてきた、まだ口にパンをくわえていたので、一口だけで後はカラスに投げた。
こんなもの加えていたら息もできん!
学校の鐘が鳴ってるような気がしたので俺はラストスパートをかけディープインパクト並みの速さで教室まで走った。
ドアを思いっきり開けると、もうさすがにみんな揃ってイスに座っている、しかし先生はいない。
勝った、これで皆勤賞もG?もいただきだな。と席に座る。
しかしなかなか先生は来ない、授業が始まる時間になってやっと姿を現した。
「いや〜、車の調子がおかしくてしまいましてね〜、とりあえず授業始めます〜」
なんか思いっきり走った意味がないような気がしたが、一番眠気を誘う世界史の授業が始まって5分も
しない内に俺の意識は遠くへ飛ばされていった。
「・・・い、おーい」
急にオレの意識は現実へと戻された、目の前には葉月がこっちを見下ろしている。
「大丈夫?頭ぶつけたんだよ、なんともない?」
「あ、あぁ。」
さっきまで授業受けてたのになんでだ?
「なんかまだビミョーな顔してる、ほんとに大丈夫なの?」
「・・だ、大丈夫だって、心配無用」
とりあえず心配させないようにアピールしておく。
「そう、なれいいけど、そしたら私図書館いくから、気分悪かったらちゃんと休んだほうがいいよ、じゃあね。」
葉月は手を振り、行ってしまった。
オレは当てもなく歩きながら考えた。
おかしい、なんかがおかしい、オレは確かにさっきまで世界史の授業してたはずなのに、明日であるはずの記憶がなんで今・・・
色々考えながら歩いていた。すると突然真横からクラクションが聞こえてきた。