夢の狭間-2
オレは葉月を激しく揺さぶる。
「葉月〜!死んではだめだ!このままだと明らかに米国に遅れをとってしまう!お前の科学力が必要なんだー!!!」
「米国に遅れ・・・なんていけません!」
と葉月は飛び起きる。書類みたいのをすばやくかき集め、叫ぶようにいった。
「わたしには、そう私は、日本を震撼させる発明で日本のついでに米国をあっと言わせる役目があるのです、こんなところでうかうかしてられません!日本が私を呼んでいるー!イタッ」
あんまり道の真ん中で意味不明な大声を出すもんだから、軽くデコピンしてやった。
「あ、あれ?信さん、どうしてここに。」
正気を取り戻したようでまた抜けた事をきいてくる。
「葉月はオレとぶつかりました、オレも葉月も頭ぶつけました、あーゆーおーけー?」
「お、おーけー。」
「よし、でどこ行くつもりだったんだ?」
話も理解してくれたよう、なのかどうかわからないが、まだキョトンとした目で見ている葉月に聞く。
「え、えーと図書館に。」
「そーかそーか、じゃ俺も一緒に行こう。」
「は、はぁ」
とまだ状況を理解していないとても鈍い葉月を従え俺は用もなく図書館へ向かった。
「ふぃ〜頭の中がトコロテンみたくなっている感覚がする〜」
オレは自分のベッドに倒れこむ。
葉月とともに図書館に向かった俺は、読む本もないので葉月にお勧めの本を聞いた。これが間違いだったが、それを聞いた葉月はなんだかわけが分からん「量子力学」という本をどこからともなく取り出しそれからマシンガンのように本の説明をたのんでもいないのにしてきた。何回も分かった?と聞き返してくるし、わかんなかったらまた最初から説明されるし、もう自分の脳がピークを達しそうだったので、葉月が新しい本を持ってくる間にオレの神をも勝る俊足で帰ってきた。なんと家まで5分ぐらい、これはギネスに載っても良いんじゃないか。
「って一人で感動して妙に寂しいな」
と窓から外を見てみる、今のじかんは四時、まだ冬が終わったばかりでもうすでに暗くなり始めている。
「・・・寝るかな」
とオレは分厚い羽毛布団を引き寄せた、布団の中は冷たかったが、目を閉じゆっくりとオレは堕ちていった。
ピピピピッ、ピピピピッ
セットした覚えがない目覚ましが鳴り響く。寝起きに目覚ましはだいぶ頭に響く。
「くっ、、、」
オレは目覚まし時計に懸命に手を伸ばし、そのまま裏拳で目覚まし時計を思いっきりぶっ飛ばした。
「ピピピピッ、ピッガゴッ!」
23代目の目覚まし時計は息絶えたようだ。でもそんなこと気にせず俺は布団にくるまる。