あなたは皆と‥‥。(10)-3
しばし――。
濃厚で芳醇な、余韻の時間が過ぎた。シャワーを別々に浴びた。そしてまた、ベッドに入った。あなたは何度も、紅香のやわらか
「海田くん、よかったらだけど――」
そして、ベッドに腹這いになった紅香は、言ってきた。あごを乗せた組んだ手の下で、そのやわらかおっぱいが、頂点をシーツにつけた見事なお椀型になっていた。きらきら光る彼女の瞳のせいかもしれないが、あれだけ乱れたにも関わらず、それは、不思議な清純さを見せていた。
「わたしと一緒に勉強しない? よかったら、もしよかったらだけど‥‥海田くんの家で――」
清純ではある。ではあるがしかし、また同時にその双乳は、どこかきょとんとした彼女の無防備な表情とは裏腹な、危険な無防備さを見せていた。
顔と乳房の「無防備」は、罪作りの程度という次元において、まったく性質が異なるものである‥‥。
紅香は、その矛盾した無防備さを気に止めることもなく、言葉を継いだ。
「お姉ちゃんから聞いたの。海田くんの成績が下がっちゃったって‥‥。――わたしたちのせいでしょ? 悪いけど、海田くんの学校の勉強なら、わたし、きっとわかると思う‥‥」
そう言われてあなたは、悪い気はしなかった。
「海田くんの家が都合悪いなら、うちでやってもいいんだけど‥‥」
「え‥‥」
あなたは思った。自分の家は、何かと窮屈だ。解放感なら、ここのほうが断然ある。
悪くはない。いや、いい話だ。が――あなたは思い直した。
(いや、いやいや、それはだめだ‥‥)
だめというより、危険だ。なにしろこの家には、あの悪ノリ狂姉妹がいるのだ。どんなふうに利用されるか、わかったものではない。多少の無理は押してでも、あなたの家でやったほうがいいだろう――紅香にその旨を伝えると、向こうも納得してくれた。