女らしく【01】『実習と幽霊とリストラ』-5
「…やっぱり、リストラは辛いよなぁ……」
まだ言ってんのかよ…
「マコトはあのおっさんの話を聞いて何とも思わなかったのか?」
そりゃあ…オレだって不幸な話だとは思うけど……
「だろ?やっぱり俺達の敵は悪霊じゃなくて不景気なんだ!」
お前はどこぞの政治家か?
でも、そんなことより…
「それよりさぁ大和、どっか寄ってかないか?」
これでデートの続きを……
「……マコト…残念だが、門限まで残り30分…」
時刻は午後5時半…
オレ達は寮住まいなので、門限の午後6時までに帰らないと締め出されてしまう。
「あ〜っ!あのリストラサラリーマンのせいでぇ〜!
やっぱりオレ達の敵は幽霊だ!」
「あのおっさんを責めるな。また、今週の休みにでも出掛ければいいだろ?」
「だって、お前休みは寝て過ごすだろ……やっぱり、一人じゃさぁ……」
お前と一緒に出掛けるから楽しいのに……
「…じゃあ、今週末は映画でも観に行くか?」
ええっ!い、いいのか?
やった!本当にデートみたい……
よし、朝から二人っきりで…
「…ただ……昼からじゃダメか?」
ズルッ…
オレの肩がずり落ちた…
何よりも睡眠が大事。
ああ…大和はこういう奴だったな……
続く…