可愛がってもらおうかいな?-1
お風呂から戻ると、座敷は片づけられ、布団が二組敷いてあった。
「どないや?」
「はい、もう大丈夫です」
「慣れんのに、調子にのって飲むさかい・・ふふふ」
淑恵は窓側のソファーに座って涼んでいた。
義雄は彼女に向かい合う形でそこに座ったが、浴衣姿の淑恵はとても色っぽく、昼間よりも眩しく見えた。
「義雄ちゃんは彼女おるんか?」
「そんなのいませんよ」
本当は好きな女の子がいたのだが、いろいろ聞かれると面倒なので、そう答えると、淑恵は笑いながら「うちと同じやな」と言った。
「うちと同じ?」
「そうや、うちもおらへんもん」
「だって、おじさんが」
「とっくに終わっとるんよ」
「終わっとる?」
「ふふふ、エッチやな。そないなことを言わせるんか?」
「あ、いや・・」
義雄は16歳になったばかりの子供≠セったので、それが何を意味するか、明確には分らなかったが、淑恵の口調から性的なことだと感じ取っていた。
「ほな、今夜は義雄ちゃんに可愛がってもらおうかいな?」
「えっ、可愛がる・・」
「もう、知らんわ」
口元を押さえて笑う淑恵は部屋の鍵を掛けに行った。