紅香語り(5)-2
(やっぱり、お姉ちゃん、だな‥‥)
わたしは頼もしく思いました。自分が調教される立場でありながら、わたしたち姉妹のことを考えているのです。
桃香の言うとおりのことをしたら、ご近所の噂、どころで済むはずがありません。このネット時代、写真や映像があっという間に出まわることでしょう。そうなったら、わたしたち姉妹は好奇の目にさらされ、いまの生活は破壊されてしまいます。
それは、あまりにも愚かな計画でした。わたしは、ここは自分が言わねばと思いました。
「桃香、それはあんまりにも危険よ。近所の噂だけで済むはずが――」
わたしは、小悪魔のような妹を諭しました。ただの軽口ではないのです。わたしたちのいまの環境では、じゅうぶん現実化することで、杞憂とは思えないのです。
「――取り返しのつかないことになってしまうわ」
その計画、というよりは思いつきの無謀さをこんこんと説いてゆくと、
「うーん、そっかー。いいアイデアだと思ったのになー」
と小悪魔、いや妹は、腕を組み口を尖らせながらも納得し、あきらめてくれたようでした。
わたしは、姉妹の一員としてホッとしていました。同時に、自分の影の部分が、囁くのを聞いたように思いました。
(ホントはわたしも――)
わたしのその部分は、エッチな想像をしていたのでした。
白香お姉ちゃんが、一〇二センチ・Jカップの
その、あまりに淫靡なシチュエーションを‥‥。
(見たい‥‥)
正直に告白します。その影の部分は、いえわたしは、そう考えていたのでした。このまま、後先というものを考えていないこの妹に突っ走らせたら、どうなるかはわかっていても。
その妹は、お姉ちゃんの真似なのか、面白くなさそうな顔で腕を組んでいました。その
(‥‥‥‥)
わたしは沈んだ気持ちになり、そしていろいろと考え込んだのでした――。
白香お姉ちゃんの調教は、わたしたち姉妹にとって「日常」になってゆきました。あの高椅子は、もうすっかり得意気な桃香のものでした。
桃香は、わたしのときと同じく、家では白香お姉ちゃんに普通の服を着させず、下着姿でいることを強制しました。そしてそのブラジャーはすぐに、普通の、通常のものから、あのオープンブラへと変更されたのでした。
オープンブラを外すことは許されませんから、宅配便等でも、その上に服を着て玄関に行くのです。お姉ちゃんは微妙に季節はずれな厚手のトレーナーなんかを選んでいましたが、それでも、その胸のふくらみは隠しようがありません。宅配便の人は想像しているでしょうか。出てきた少女の黒地のトレーナー、その赤いロゴが大きく書かれた胸の下に、あまりにも恥ずかしいブラがあることを。それがたっぷりとした美巨乳を、隠すどころか、逆にこれでもかと差し出すようにしていることを――。
「おっぱいの肉が、たゆんたゆんあふれちゃって、大変なことになってるよお‥‥。これで何もするなって言うほうが、罪ってものだよね?」
服の下が、大袈裟でなく、そういう状態であることを‥‥。