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『THE ENDLESS』外伝〜光羽編
【ファンタジー その他小説】

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『THE ENDLESS』外伝〜光羽編序章-1

俺の名前は羽山光(はやま ひかる)。17歳だ。俺には二つ年下の彼女がいる。名前は立風美葉(たてかぜ みわ)だ。
俺達は最近開発されたばかりの仮想現実ゲームを始めていた。

見渡すかぎりの白い空間。何処からともなく声が聞こえてくる。

『ハンドルネームを決定して下さい』

あまり凝っても時間がかかるだけだ…自分の名前からとろう…羽山光、光羽山、光羽…ミツワ。こんな感じか。
そう思った瞬間、先程までの白い空間は消え去り、俺は何時の間にか幾つもの建物がひしめきあう場所、ギルドシティに立っていた。

「っと、美葉は何処だ?」

美葉はすぐ近くで建物を見回していた。その瞳はルビーの様に紅く輝き、武士の様な格好をしている。美葉は俺に気付いた。

「どうした光、その格好は?」
「ん?ってなんだこれは」

俺は何故か白衣姿だった。

「脳波を読み取り、それに相応しい装備になるらしいが…中央局で変更するのもありだぞ?」
「いや、珍しくていいんじゃないか?」

実際最初のショックを通り過ぎると、結構いいとも思えた。

「それより、この世界では俺の名前は光羽だ」
「私は颯葉。宜しくな、『光羽』」
「こちらこそ、『颯葉』さん」

そこまで言うと、俺は可笑しくなって吹き出してしまった。つられて美…いや颯葉も。
その後約十秒間、俺達は笑いが止まらなかった。少々周りの目が気になりはしたが。
ひとしきり笑ってから、俺は美…颯葉に提案した。

「取り敢えずギルドを作らないか?中央局に行けばメンバーも簡単に見つかりそうだ」
「そうだな。私も今言おうとしていた」

そして、俺達奇妙な組み合わせの二人は中央局へと向かう事にした。

「結構人が居るな…」

中央局は混雑していた。オタクらしき姿がちらほら見えた。格好とのバランスで判別できる。
歳が近い人も結構いたが、この時間帯、居る同年代は俺も含めてほぼ全員帰宅部だろう。

「この分ならメンバーを探すのも簡単だろう。光、じゃなかった光羽、迷子になるなよ」
「何だそりゃ…」

仕方が無いか。美葉はそういう性格だ。

「あの二人なんか良いんじゃないか?」

…颯葉はいかにも今日始めたばかり、といった雰囲気のカップルを指差した。俺よりは年下に見える。

「恋人同士で参加かよ…調子に乗ってるな」
「何を言う、私達もそうだろう」
「……」

そうだった。どうも俺は、自分達がそういう関係である事を忘れてしまう。


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