紅香語り(1)-2
あんな、止まっていても、キュウウウッ‥‥とそれ自体が独立した淫靡な生き物のように、まるで桜色の両のお乳首を――やや翳っているかもしれません――頂点に左右を向き、主である白香お姉ちゃんが身動きしようものならもう、ぶるんぶるんという形容では済まされないような、許すべからざる大きく淫靡な躍動を見せる、とんでもない
ましてやそれが、無防備・無抵抗の状態で、目の前にあるとしたら――。
揉みしだいたり、むしゃぶりついたり、また乱暴に扱ったりするだけでなく、あらゆるモノを差し挟みたくなってくる欲求も、当然起こるというものでしょう。海田くんが、あの白香お姉ちゃんのおっぱいに欲情することがあったかどうかは、わかりません。でも、仮にあったとしてもわたしは、許してあげるどころか、彼に申し訳ない気持ちさえしてきています‥‥。
さて――。
「ああ、もう‥‥。い、いいですかっ、桃香くん‥‥い、いや、桃香さん?」
「いいよいいよ。もう、思う存分、心ゆくまで、ちゅばちゅばちゅばちゅばしちゃって♡」
桃香はにやにや笑いながら、幸也くんをそんなふうにけしかけていました。わたしにそれを止める権利はありませんでした。だって、わたしも同じ気持ちでしたから。
(たっぷり、たぁーっぷり、その
昨夜わたしは、そんなふうな倒錯的な親切心に捉われていたのでした。
桃香は幸也くんにしばらく責めさせた後、彼の興奮が冷めるのを待って、帰るように命じました。幸也くんは、それに反発することもなくおとなしく帰ってゆきました。が、据え付けられた家庭用の催淫導入装置やわが家の様子を、ときおり緑色に光る眼鏡の奥の理知的さを取り戻した瞳で、賢そうに見まわしていたのでした。
そのときちょうど、家の電話が鳴りました。桃香はビクッとしていましたが――片桐さんだとわかると、ホッとした様子で、甘え声を出しはじめました。片桐さんの用件はわたしのことで、もう家にいると知ると、今夜――昨夜はもう、わが家へは来ない旨を、伝えてきました。
――お姉ちゃんの裸体は、淫らでした。コドモふたりに舐めまわされて、てらてらと妖しく輝いていました‥‥。
そして、今日。日曜の午後‥‥。
白香お姉ちゃんの調教が、本格的に始まりました。あの、これでもかとばかりにふくらんだ
「さすが、お姉ちゃん。下着がもう、いやらしいよね」
リビングです。わたしの横に立つ桃香が、皮肉っぽく言いました。先ほど、お姉ちゃんのブラジャーを桃香は剥ぎ取ったのですが、そのブラも、やはり凝った刺繍の、お揃いの黒でした。