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ブロンドの美少女カロリーネ
【その他 官能小説】

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夏休みが終わって-1

16.夏休みが終わって
 
 短い週末の旅行を終えた2人は、再びマルメの町でのいつも通りの生活に戻った。2人とも未だ学校が夏休みに入っているため、毎日アルバイトと秋からの新学期に向けての予習に集中する毎日。

 季節は8月半ばを過ぎ、町の郊外に広がる麦畑には黄金色の穂が実り、野山を吹き渡る風にも秋の気配が感じられる季節になった。
 9月に入り、新学期を迎えて大学院のカリキュラムもかなり厳しくなってきたが、そんな折、大学の学生課を通してアルバイトの話が博康に持ち上がった。彼が得意とする画像解析のテクニックを応用してできるアルバイトだったため、博康は即座に応募した。
 MRIやCTなどの画像解析装置を製造する医療機器製造会社のアルバイトである。博康の授業が終わる夕方から毎日2時間ほどのきつい仕事だが、報酬額がかなり高いため、何としてでもやってみたいアルバイトだ。
 数日後、その医療機器会社から「採用決定」との返事が届く。
 留学生の立場上、大っぴらに長時間の仕事はできないが、これで2人の生活もだいぶ楽になりそうだった。

 経済的に少しばかりの余裕ができたことで、週末には勉学の合間を塗って、2人で遠距離までジョギングに出かける事が多くなった。
 ブナやカシの落葉樹が葉を赤く染め、収穫を間近に控えた麦畑に心地よい涼しい秋風が流れる。時間の合間を縫って2人は郊外を何キロにも渡って散歩する。
時々ジョギングの足を休めては、林のかげに入り、2人は抱き合い濃厚なキスを交した。
そして時には、木立の陰の柔らかい草の上に横たわり、抱き合っては時間の許すかぎり熱いキスをする。
 2人にとっては、今が一番幸せな時だった。

それからまた1か月が経過したある日、アルバイトを終えて帰宅した博康にカロリーナが真剣なまなざしで言った。
「ヒロ、私あなたの子供を身ごもったみたい。2週間前にあるはずだった生理がまだないの」
「な、なんだって!子供ができた?」
「そうよ、今まで2人でこんな自由にやってきたんだから、子供ができたっておかしくないでしょ?」
「でも今まで、子供のことなんて一言も話し合って来なかっただろ?」
「だからどうなの?話し合って来なくても、できちゃったものは仕方がないでしょ?」
「それでどうするつもりだい?」と質問する博康に対し、カロリーネが怒った眼差しで即答する。

「あなたはまるで他人事のように言うけど。生まれてくる子供は私とあなたの2人の間でできたものでしょ?
もちろん愛してるヒロの子供だから、絶対に生むわよ。そしてこの国で育てるのは当たり前でしょ。
でも生まれてくる子供のためにも、私たちの将来のためにも、私たち早く結婚した方がいいわよね。一日も早く結婚したいわ!
それに結婚すれば、国からいろいろな面で、優遇されるはずよ。アパートも大きめの場所に優先的に入居できると思うし。」

結婚することのメリットを、立て続けに力説するカロリーネに圧倒されながら博康はますます焦った。
「ちょっと待ってくれよ。今まで結婚とか子供ができたらとか、全然話し合って来なかったじゃないか」
と言って慌てる博康にカロリーネが言う。
「あなたは、今までセックスばかりに夢中になって、もしかして子供ができたらどうするかは、全然考えなかったの?
ヒロ、あなたって随分自分勝手ね?
それとも私とのいままでの生活は、単なる遊びだったの?」

結婚という言葉に博康は愕然とした。
いつまでもカロリーネと一緒に暮らしていたいとは漠然と希望はしていたけれど。でも自分の将来のこと、日本の両親にどうやって話すか?日本に移住した場合のカロリーネの人生はどうなるか、などについては真剣に考えたことはなかったのだった。
博康は、自分の無責任さを悔やんだ。
そしてどんなことがあっても博康の子供を産みたい、と強調するカロリーネの強さに圧倒された。


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