満足感に浸る2人-1
9.満足感に浸る2人
「いいんだよ。シーツなんて明日洗濯するから。それよりさっきはすごく興奮していたね。気持ちよかったかい?」と聞く博康に対し、カロリーネは軽くキスをしながら、「あなたって最高よ。これからもいろいろ新しいことを教えてね」と言う。
博康はとりあえず濡れたシーツをベッドから剥がす。彼女の愛液で濡れたベッドの周囲を簡単に拭くと、ベッドの上に大きめの乾いたバスタオルを敷いた。
暫く経ってから、「楽しかったよカロリーネ、それじゃおやすみ」と言って博康は疲れた体を横たえた。
カロリーネは博康の腕の中に頭を横たえ、「おやすみなさい。素敵な経験をさせてくれてありがとう」と一言言った。
窓のカーテンの隙間から差し込む初夏のまぶしい陽光で博康は眼を覚ました。腕時計を見ると9時を回ったところだった。自分の腕の中に頭を横たえたカロリーネは、まだすやすやと眠っている。朝日の中に浮かぶ彼女の寝顔は、なおさら美しかった。
彼女を起こさないようにそっと左腕を抜くと博康はベッドから抜け出す。
夜中から今朝にかけての2人の激しいセックスを物語るかのように、ベッドの周りには2人の衣類やタオルが乱雑に転がっていた。
暫くしてから目を覚ましたカロリーネと一緒に博康は、インスタントコーヒーとトーストの簡単な朝食をとった。
「今度いつ会える?」と尋ねるカロリーネに、「この1週間はレポート書きで忙しいけれど、来週の金曜夜だったらまた会えるよ」と博康は答えた。
一挙に燃え尽きてしまうような感情を持ちたくないと考えてのことだった。
「私も学校の他に、週に2度は近くの病院で清掃のアルバイトをしているので、ちょうど良かったわ」とカロリーネが答える。
お互いに携帯メールアドレスを教え合った後で、夕方にはアルバイトに行かなければならないと言うカロリーネをマルメ中央駅まで歩いて送り届けた。
博康は、久しぶりの幸福感を体いっぱい満喫していた。