桃香語り(7)-3
そして、待つこと小一時間。いよいよ、そのときが訪れました。
「はいただいまー。桃香ぁー、いいコにしてたかなぁ〜♡」
と、白香お姉ちゃんが色っぽい声を出して、うちの玄関のドアを開けて入ってきたのです!
それと同時に――。
ヴッヴッヴッヴッ、ヴァーン‥‥!
そんなような、変な低い音がして、どう乳装置が、動きました。お姉ちゃんは、その場に崩れ落ちました。
また同時に、ブレーカーが落ちて、家中が真っ暗になりました。これは片桐さんからあらかじめ聞かされていたから驚かなかったですが、やっぱり、不安にはなったのでした。
そのわたしの不安を打ち消すかのように、片桐さんが懐中電灯を点けました。そしてすぐに、幸也も自分のを点けました。幸也の懐中電灯の光のなかで、片桐さんはまずブレーカーを復旧させようとしました。が、幸也が心配そうに言うので、まずお姉ちゃんの体を仰向けにして、顔を覗き込み、そして、大丈夫だよ、というサインをよこしました。
ブレーカーが復旧し、家中がパッと明るくなりました。わたしは、さっそく玄関へ行きました。ヴヴヴー‥‥。装置の音が、小さくなって消えてゆきました。
うつ伏せで倒れていたお姉ちゃんを、仰向けにしました。
「成功だ‥‥」
横に来た片桐さんが、満足気に言いました。わたしは、自分がやられたときのことを思い返し、
「わーい♡ えーとえーと、どこがどう乳≠ネのかなぁー?」
と、体が上向きでも大きく盛り上がっているのがわかる、お姉ちゃんのたっぷりふくらんだ胸を、さっそくはだけようとしました。が、
「いや、いや。桃香クン、だめだよ。だめだめ――」
と、片桐さんに止められてしまいました。
「手はずどおり、さっさと研究室に行くよ。これはあくまで導入装置であって、君がかかったあの本装置とは、似てるけど効果が違うんだ。続く時間もだけど、そもそも質が。かいつまんで言うと、こっちは、あれの効果に似せた効き目に過ぎないんだよ」
そう片桐さんが主張するので、その場は諦めたのでした。「どう乳」というのがなんなのか、わたしは結局わからないままでしたが、どうせおっぱいに関係するエッチな意味なのは間違いありません。そして、そのお姉ちゃんの
片桐さんの車に、白香お姉ちゃんを乗せました。ボディガードさんたちにも、これは手伝ってもらいました。その片桐さんの車にわたしが乗り、幸也はボディガードさんたちの車に乗って、研究所のある財団のビルへ、急ぎました。
そして研究室で、ヴィ、ヴィ、ヴィー‥‥と、本装置でお姉ちゃんをさいいん状態にしたのでした。大成功でした。