指導…という名の罠-1
憧れの男性と、担任のオンナの情事は続いた。麻理亜は奇癖ともいえる『覗き』を続けながら、思春期間近の肉体を熱らせ、既に我慢汁に塗れた人差し指と中指を巧みに扱い、水着の上から局部を刺激し続け、甘い吐息を漏らす。
「あ、あぁッ…。か、海斗クン…そんな女相手に…そんな顔しちゃ…ダメだよ…はぁはぁ…」
麻理亜は、嫉妬と性的興奮の入り混じった感情に苛まれ、手淫を続ける。そのとき、密かな悦びに燃え上がる少女の肩を叩く、中高年の男の影。
「何をしておるんだね、山本さん?」
麻理亜が振り返ると、教頭の松永が険しい表情で立っていた…。
「これはどういうことですか、荻野センセイ、東出クン? ここをどこだと心得ているんだね。いやしくも君たちは児童を導く聖職だろう」
教頭室に『連行』された荻野裕子と、東出海斗は教師、いや大人と思えぬほどに子供じみた態度で、恥ずかし気に項垂れるだけだった。そして、禁断の果実を齧った教諭二人以外に、この部屋に『補導』されたのが、麻理亜だ。
(最ッ悪!! よりによってハゲオヤジに捕まるなんて。…にしても海斗クン、付き合ってるんなら、堂々としてればいいのに…。反論とかまるでしないし、ガキそのものじゃん)
麻理亜は心の中では教頭をあだ名で蔑むと、半ば白けた様子で、憧れの東出の態度に少々幻滅しながら様子を横目で眺めつつ、当の自分の行為を恥じても悔いてもいなかった。
(男と女でしょ、職場だってキスくらいするって! 小6の私だってオナニーしてるんだよ。まったく)
くどくどと前時代的な説教を繰り返す松永を、古代の遺物のように嗤いつつ、快感に貪欲な麻理亜は、彫りの深い美少女フェイスを生意気そうに歪め、心の中で悪態を突く。
(早く解放しろっつーの! ああん、早く帰ってオナニーしたいようッ!)
マスターベーションが日課になっている麻理亜は実のところ、昨夜も手淫に耽り、自室で勉強を装い、学習机に向かいつつ、シャープペンシルの丸い尻で濡れそぼった幼い女芯をくりくりイジメ、昇天までしてしまったのだ。あまりの快感に、噴き上げた潮が弧を描き、机上のテキストやノートにまで飛び散るアクシデントに見舞われ、少し焦った彼女ではあるが…。水着姿のまんまで、教頭に連行された麻理亜は、南国娘を思わす肉体を、股間から全身に広がる甘い痺れに委ね、微かに悶えさせる。その様子を、チラッと松永教頭が一瞥した。
「さてと…、山本さん。君は何をしていたか言ってごらん」
麻理亜は教師二人の前で、罪状を告白させられることに少々戸惑ったが、どこかで前世代の化石めいた教頭を揶揄ってやりたいという、すれた感情が優った。
「プールを終えてロッカーに行こうとしたら、センセ〜二人がスッゴイことしてるのが見えちゃって…」
わざと、教師二人を揶揄する様に大きな瞳で東出海斗を見つめつつ、悪戯っぽい笑みを浮かべる。ドギマギする松永を見てみたかったのだが、意外にも相手は年の功か冷静な口調だ。
「先生はそんなことを聞いているんじゃあないよ…。麻理亜自身の問題なんだ」
(ちょっ、ちょっと馴れ馴れしく肩なんか攫まないでよ。おまけに名前を呼び捨てとかキモいんですけど)
ドラマの熱血教師の如く、何か大事なことを教え子に伝えようとするかのような所作に、ウザいものを感じる麻理亜。
「何をしていたか、言ってみなさい!」
(そこまで言わせる気なんだ…。でも、こんな事なかれ主義のキョ〜ト〜が、体罰とかできるわけないし…。ちょっと遊んであげよっと!)
麻理亜はブルーの水着に隠された豊満な身体を誇示する様に、少し胸を張ると、美少女貌で真っ直ぐ松永を魅射る。
「何をしていたかって言われれば、オナニーしてました。マスターベーションって言った方がいいですか? 学校でオナニーしちゃ駄目って校則ないですよね? いまどき、女の子だって、小6とかになれば全然平気でしてますよ。友達にもローターとか持っている娘もいっぱいいるし」
けろりと言い放つ麻理亜。そして大人を弄ぶ口調に声音を変え、微笑む。
「だって気持ち良いんだもん…うふッ」
後ろ手に組んで、バストアップする様にスクール水着の下で揺れる幼くも艶めかしい肉体を見せつけるように囁く。
(くふふふ、固まっちゃってるじゃん、キョ〜ト〜。定年間近のオジーちゃんのアタマじゃ、ウチらみたいな女の子にはついてこれないっしょ)
すっかり言葉を失った教師陣を手玉に取ったつもりの麻理亜。だが、それが罠だということに、気づくのはもう少し後になる…。