女児の好奇心、性欲 -1
夏休みも近づいた狸穴小学校の放課後、六年生の山本麻理亜は、ネイビーブルーのスクール水着に包まれた12歳の早熟な肉体を熱らせていた。水泳部でこんがりと日焼けした素肌が紅潮し、乳首がコリコリに硬くなってる。鼻腔を突いて出る甘い吐息は押し殺そうにも殺せず、高鳴る心臓の音は鼓膜をうち、周囲にその音が漏れ出るかのような錯覚を覚える。
「す、すっごい、エロイ…」
麻理亜は、目の前の光景に生唾をごくりと飲み込む。
「まっさか、海斗クンと荻野がこういう仲なんて…」
麻理亜が南国娘を彷彿させる彫りの深い貌に好奇心いっぱいの表情を浮かべ、食い入るように見つめる物は、ディープキスを交わす6−A担任、荻野裕子と若手の副任、東出海斗のアバンチュールの現場だ。二人は一つ間違えば、校内の誰かに見られかねない用具室で唇を重ね、卑猥な粘着音と甘い喘ぎを漏らしている。その様子がドアの隙間から垣間見た時、麻理亜は憧れの男性教諭と、いけ好かない微かに中年がかった担任の裕子のカップリングを、嫉妬と醜聞好きな女特有の感情で盗み見ていた。が、それにも増して、二人の蜜月の場に、麻理亜は女としての本能、もっと言えば早熟な性感をくすぐられている。
本来『性』を覆い隠すべき大人しいスクール水着も、麻理亜の豊満な着こなしで、はちきれんばかりの健康な女児体躯に色気を醸し出させる。既に乾きつつあるプールの水家をおびた水着は、屹立した乳首を浮かび上がらせ、盛り上がりつつある恥丘にグッと食い込む。イケメンを絵に描いた様な東出の、女と舌を絡め合う官能的な横顔を目の当たりにし、秘所が熱く濡れそぼり、ちゅちゅっとふしだらな液体が水着の布地に濡れ広がる感触に、思わず声を漏らしかける。
「やだ、私ってば、濡れてきたじゃんッ…あぁッ…」
右人差し指が、ナイロン地にうっすらと滲み出る、ふしだらな液体が光る陰唇のラインを無意識になぞる。
「ひぃッ…いやうぅッ」
押し殺したつもりだが、得も言われぬ興奮と快感に嬌声が唇から漏れる。睦み合う二人に聞こえるのでは、というある種のスリルも、性欲を昂ぶらせる。
「あぁッ…あんッ」
幼いながらも悦楽を覚え、眼前の官能的光景に耐え兼ね閉じかけた瞳の上で睫毛を震わせ、ピンク色の蠱惑的な唇を噛み締めた。
麻理亜は自分でも、かなりスケベな、いや難しい言葉で言えば多淫な性質だと思う。それは繁華街のクラブで踊り子から『ママ』へと上り詰めたフィリピン国籍の実母の生活を目の当たりにしてきたことも影響しているかもしれない。麻理亜にもよく似て、彫りが深く豊満な肉体を持ち、男好きのする彼女には恋人の影が今もって絶えない。麻理亜の父とは籍は入れたものの、互いに浮ついた生活から抜け出せず家族の体をなさぬまま、4年前に離婚している。町金融の社長ということで、養育費ははずんでくれるので、母娘は地元ではなかなか優雅な生活をしているといっていい。だが満たされぬ欲望を埋めるように、母の男遊びは続き、麻理亜は10歳の誕生日に実母が連れ込んだ男との情事に更ける場面を、目にしたのだ。今の状況と同じように…。麻理亜は、その様子を覗き見しつつ、まだ恥毛も生えない陰唇の間が熱い液体に塗れる感覚に、密かな悦楽を覚えたのだった。