【花よりも花の如く】-1
淡いパステルピンクのパンツに包まれた、ぷっくりと膨れた股間を掌に包み込み、持ち上げるようにして指先を割れ目に食い込ませてやると、薄い布切れの下で、ぐちゅっといういやらしい音がした。
「あっ……」
恥ずかしそうに愛花が身を捩る。
「朝っぱらから、もう濡れてるんだなぁ、愛花は」
捏ね回すようにして弄ってやると、俺の指先もあっという間に湿り気を帯びてきた。
「いやらしいよな、お前」
くっと笑ってやると、愛花は泣き声にも似た声を上げて、「嫌嫌」と首を振る。
何が「嫌」なんだか、こんなに濡れていて。
ゆっくりと、窪みに指を浸したまま、掌全体で押し付けるようにして前後に揺すってやると、そのいやらしい音は、更にじゅぐじゅぐと俺の掌の中に伝わってきた。
「あっ、ああ……、お兄ちゃん」
窓から射し込む明るい日差しが、二階の廊下に重なり合う俺達の影を映す。
朝起きて洗面所で顔を洗っていたら、身支度を調えにきた愛花と出くわしたのだ。
俺は夕べはバイトで遅くなって、愛花の部屋に行っていない。
それで、ついすれ違い様に背後から抱き竦め、首筋に「おはよう」のキスをしてやったんだ。
そうしたら、愛花の奴、すんげぇいやらしい声を上げやがった。
朝っぱらから、なんて声だと思ったね。なんて、刺激的な声だよと。
だから、もっと鳴かせてやろうと思ったんだ。
ただ、それだけ。
愛花を抱く理由なんて、それだけで十分だ。
身悶えする愛花の体を抱き竦めたまま、パンツを尻の方だけ露出するように、ぺろんと下ろしてやる。
「あっ!」
そのまま、するりと尻の谷間へと指を侵入させると、愛花の体が仰け反った。
「嫌っ!嫌よっ、お兄ちゃん!」
何をされるかと慌てふためく愛花を無視して、尻の穴に指をあてがい、掌全体で尻を持ち上げるようにして擦り上げてやると、愛花は手で払いのけようとして体を捩らせた。
それは、半ばマジの拒絶だ。
「嫌か?」
背後から抱き竦める体に、そっと囁く。
「嫌よ。……お尻は、嫌だってば……」
それでも感じてるのか、熱い吐息の下で、愛花が恥ずかしそうに頷いた。
そう言えばそんなことを言っていたっけ。
……。
だから、どーした。
「あっ」
俺は、かまわず、きつく綴じた尻の穴に中指をあてがったまま、もう片方の手を前からパンツの中に侵入させると、中指を付け根まで、じゅぐじゅぐに潤った愛花の中に沈み込ませた。
そのまま両手で股間全体を抱え込むようにして、ゆっくりと捏ね回してやる。
「はぁん、あああっ……ダメぇ……」
体をこわばらせ嫌がる愛花の首筋に唇を這わす。
「朝っぱらから大きな声を出すんじゃねーよ、愛花」
「だって、お兄ちゃん。あっ、嫌ぁ……」
「じっとしてろって、愛花。ほら、少し入ったぞ」
尻の穴にあてていた指が、少しだけ、愛花の中に埋もれてきた。
「嫌……」
「痛くないだろ」
「だって、あっ……お尻なのよ」
だから何だよ。
「気持ちいい?」
「あっ?!あああっ!いっ、いやっ、嫌ぁ……!ああんっ!!」
そのまま腸壁を広げるように、円を描くようにしてゆっくりと擦り上げてやる。
眉を寄せ、うっすらと口を開いて喘ぐ愛花の顔が、段々と上気してきた。
「尻の穴で感じるなんて、やっぱし変態だなぁ、愛花は」
その可愛らしい顔を見ながら、くっと鼻先で笑ってやる。
「いやぁ……、ああっんっ!……ああ、おにいちゃん……」
俺の言葉に泣き声を上げて腕から逃れようとするけれど、前からと尻からと、両方から挿し込まれているので逃げようがない。
ゆっくりと、しかし着実に深く挿入されていく指の動きに、愛花の体は何度も大きく仰け反り、押し寄せる快感に為す術もなく身を任せている。
「あっ……、お兄ちゃんっ……、あっ、ああっ!」
ふと顔を上げると、洗面所の鏡に俺達の姿が映っていた。
良い格好だ。
恍惚として俺の体に身をもたせて喘いでいる愛花の姿を見たら、もっと辱めたくなった。
「見てみろよ、お前。朝っぱらから、凄ぇいやらしいぜ」
鏡の中の愛花が、自分の姿を捕らえた。俺に背後から抱き竦められ、スカートの中に両手を突っ込まれて前からと後ろからと突き上げられている自分の姿を。
「あっあっ……いやぁ……!」
そして、そのいやらしい姿に、泣き声をあげる。
「恥ずかしいか、愛花?」
その言葉に、体を震わせながら、こくりと何度も頷く。
そうか。
「止めて欲しいか?」
愛花は当然のごとく何度も頷く。だからといって、俺が止めてやる訳はないことを既に知っている筈なのに。
「俺をその気にさせるのは、愛花、お前の方なんだよ」
ほんのりとピンク色に上気した愛花の白い首筋に唇を寄せる。
「お前は嗜虐性をそそるんだよ。もっと辱めて、汚したくなるんだ」
その言葉が持つ意味を知り、愛花の体が、ビクッと震えた。