桃香語り(3)-2
白香お姉ちゃんが、わたしをあのさいいん装置にかけるときに幸也を連れてきていたことは、幸いでした。お姉ちゃんは恐らく、あれでなんとなく自分が彼にも指示する立場だということを幸也にもわからせたかったのでしょうが、段々と幸也も自分の計画に巻き込んでゆくつもりだったのでしょうが――わたしに幸いすることになりそうでした。
そうです。幸也とわたしだけでは、人手が足りません。わたしは、片桐さんと、そしてスタッフさんの手も借りることにしたのです。幸運なことに、片桐さんを説得するのは、幸也よりもずっと簡単でした。わたしは、
(必要なら、片桐さんにサービスしちゃおうかな‥‥)
とも思っていたのですが、その必要は、ありませんでした。あの人は、ふたつ返事で、白香お姉ちゃんをおっぱいペットにオとすというわたしの計画に、乗ってくれたのです。
準備は、少しずつ整ってきました。目標は、白香お姉ちゃんのあの爆乳です。
(――さあ、やるよ? やっちゃうよ‥‥?)
わたしのなかで、決意が固まろうとしていました。わたしは外に出て、コミュニティバスに乗るために、停留所へと急ぎました。
ガーッ。
コミュニティバスの自動扉が開きました。うちの街のコミュニティバスのドアは、前も真ん中も横に開きます。その前から乗り、安い運賃を払って、わたしは車内の人になりました。
さて‥‥。
白香お姉ちゃんの調教。わたしが本格的にそれを考え出したのは、いつからなのでしょう‥‥?
(うーん、やっぱ、あれかな‥‥)
空いた車内の、真ん中あたりのひとりがけシートにちょこんとおさまりながら、わたしは思い出していました。紅香お姉ちゃんの集中調教期間の中頃、その裸身が懸架装置にかけられていた場面を‥‥。
あのとき――。
白香お姉ちゃんは笑みを浮かべ、すっとかっこよく立ち上がったのでした。そして、吊るされた紅香お姉ちゃんのカラダに近づくと、
「ふふふっ、美味しそう♡」
と、指先でちょんとそのおっぱいの片方を突いたのです。
「うくううっ‥‥あっ‥‥」
おっぱいがたゆぅん‥‥と揺れ、同時に、紅香お姉ちゃんは女のわたしでもどきどきするくらいに、顔を真っ赤にして色っぽくそう鳴いたのでした。そして、白いパンティーに包まれたお姉ちゃんの腰も、いやらしく揺れたのでした。
それを見たわたしは、
(わたしも、にょ体調教をしてみたい――!)
そう、強く思ったのです。あれが、きっかけ。けいきでした。