桃香語り(1)-1
わたしは、考えています。日頃よく、こう考えています。
(お姉ちゃんの、あのおっきなオッパイには、一体ナニが詰まってるんだろ‥‥)
と。
そして、こんなふうに思うのです。
(夢‥‥なのかな‥‥)
‥‥――――。
「ひょいっ、と♡」
わたしは服を脱いじゃうと、リビングのスタンドミラーの前に、ぴょんと立ったのでした。おそろいのフリフリ付きのピンクのブラジャーとパンティーに身を包んだ可愛い女のコが、そこにいました。わたし――蒲生桃香、です。
(うん。われながら、可愛いっ!)
わたしは、あのオープンブラから、この普通の、元のわたしのブラジャーに戻ることを許されていました。
(あれはあれで、実はちょっと好きだったんだけど――)
やっぱり、元のこれのほうが、いいです。うん。
そして。
おっぱいぷるん。
紅香お姉ちゃんで見たあれを再現してみたくて、ピンクのブラジャーを一気に外してみました。
ぷるるん! 別に音がしたわけじゃないですが、われながらなかなかの美乳が、元気よく鏡のなかに現れました。自分で美乳と言うのもなんですが、そう言ってもおかしくないと思います。
サイズは、アンダーが五九センチ、トップが七九センチ。Eカップ。
これが、このわたしの、武器なのです。
(もしも、夢、なら――夢だとするならば‥‥)
ボリュームでは、お姉ちゃんたちにはかないません。白香お姉ちゃんはもちろん、紅香お姉ちゃんにも。
(でも‥‥)
わたしは、鏡のなかのパンティーだけの姿の自分に念を押すように、小声で唱えました。なんとなく、そういう「宣言」をしてみたい気分でした。
「ここに詰まってる夢は、負けないよね‥‥?」
と‥‥――。
さて‥‥。
かなり別のことなのですが――といっても、わたしのなかではすこ〜しつながっているのですが――このまえ誕生日を迎えたわたしは、下のほうのお姉ちゃんからアマリリスの花束をもらいました。
(うわああ‥‥き・れ・い――)
鮮やかな赤のアマリリスは、わたしを感動させました。わたしは調教中で、たしか、おっぱい丸出しの恥ずかしい格好だったと思います。
でも、それが気になることはなく、わたしは嬉しさでいっぱいになったのでした。
(でも、さ‥‥)
調教の期間――上のお姉ちゃんが定めた集中調教期間をなんとか終えたいま、わたしは思うのです。その上のほうのお姉ちゃんからは、
(なんにも、プレゼントをもらっていないなー‥‥)
と――。