白香語り(5)-2
可愛い、それはわたしの本音でもあったが、わたしの脳裏にはそのとき、同時にあるアイデアが閃いていたのだ。――口にすることはなかった。片桐さんが気に入りそうだ、とも思った。
いまわたしは、それを桃香で実践していた。わたしに見せてくれたときは、普通の着衣のままの姿だったのだが、わたしはそれを、ねこみみセットとパンティー、そして清蘭のニーソックスのままで、させているのだった。セット。そう、しっぽと両手足も、ちゃんと揃えてある。桃香に聞いてネットで調べ、また研究室にお金を出してもらい、買ったのだ。これはまだ言ってなかったが、ちょっと早い桃香への誕生日プレゼントという意味も、わたしなりに込めていた。
思ったとおりだった。桃香は羞恥感あふれる裸のねこみみ姿の美少女となり、そしてこれも思ったとおり、片桐氏ははあはあといやらしい目でその姿を食い入るように見つめ続け、わたしが、
「どうお? 片桐さん。わたしのアイデアは」
と言うと、思い出したかのようにわたしを振り返り、
「こ、これは‥‥。し、白香クン――あ、いや、白香さんだっけ――さ、最高ですっ。ありがとうございますっ!」
と、いつぞやの桃香以上に喜んで、わたしに頭を下げたのだった。素直に、いい気分だった。
(これで、わたしの言うことを聞いてくれるようになるでしょ‥‥)
それから桃香を、ねこみみ姿のまま片桐氏に提供したことは、言うまでもない。
――蜜宴は深夜まで続き、片桐氏は満足して帰っていった。
それからわたしは、桃香にも日常的にオープンブラを着用させた。紅香と同様、毎日をそれで過ごさせ、羞恥感を味あわせるのだ。
(いや、味あわせる、だけじゃダメね。染み込ませないと――)
わたしは、自分に言い聞かせる。
(それが、調教というもの。たとえ相手が妹でも‥‥いえ、可愛い妹だからこそ――!)
桃香は、まさか自分がその羞恥下着で暮らすことになるとは思っていなかったらしく、紅香と同じように真っ赤になっていた。
「うえーん‥‥。恥ずかしいよ、お姉ちゃん‥‥」
そして、嘘泣きして、紅香に助けを求める。
「――――‥‥!」
優しい紅香は、妹に手を差しのべるようにして何か言おうとした。が、わたしがぎっと一睨みすると、それだけで、黙った。桃香はぐすぐすとべそをかきながら、立ち尽くすことになった。しかし、その幼いながらも十分に発育した
「ふふ、いい眺めよ、桃香」
わたしは言ってやった。素直な意見、本音でもあった。
「片桐さんがこれを見たら、たまらないでしょうねえ、桃香♡」