紅香語り(6)-1
特殊ブラのみっつめ――ラジコンブラ。あれは、摩擦ブラを発展させたもの、と言えるでしょう。白香お姉ちゃんも、そんなことを言っていました。財団製の――研究室で開発されたという、まるでゲーム機のそれのようなコントローラーで動く、摩擦ブラを上まわる特殊ブラジャーです。その使われ方は、こんな感じです。
「ほーら、お姉ちゃん。ぴこぴこぴこー♡」
妹・桃香がそんな戯言を口にしながら、黒いそのコントローラーのレバーを操作します。
「あんっ、あっ、あっ、あっ‥‥も、桃香っ――や、やめてっ‥‥」
そこからケーブルを伝わって、やはり黒い、ゲーム機を改造したという本体へと電気信号が送られます。そして今度はそこから――より正確にはその本体の電波の送信装置から――わたしの胸に装着されたそれの、背中の部分のごく小さな受信装置に指令が送られ、わたしは感じやすくなっているおっぱいをモミモミされる、というわけです。まったくもう、どうしようもない下着です。いえ、下着というより、ほとんど機械です。
「あふんっ。あ、あふ――あっ‥‥!」
しかし、そのどうしようもない機械の、愛情のこもっていないモミモミで、わたしは性感を感じてしまうのです。それも、妹と、そして胸の前で腕組みをしているお姉ちゃんとが、ともににやにや笑っているその前で‥‥。――わたしの
(――でも‥‥)
わたしはそうされながらも、思っていたのです。いえ、海田くんのことではなく――想うべきだったのかもしれませんが、そのときは、悲しむべきことにそうではありませんでした――。
(あの胸だって、これを着けたら、同じように感じるはず‥‥)
と、よからぬ想いを、抱いていたのです‥‥。
その考えは、実は悪魔の囁きだったのかもしれません。でも、そのときのわたしは、抗うことはできませんでした。いえ、操作している妹・桃香に対してではありません。なぜだかは自分でもわかりませんが、それを持ってきて、摩擦ブラと同じくわたしの胸に得意気に装着したお姉ちゃん――わが実姉・蒲生白香に対してなのでした。
(うー! いやらしい、わたし‥‥!)
思い出したわたしは自己嫌悪を覚えながら、
(もうどうにでもなっちゃえ――)
と、そんな乱暴な気持ちになってしまって、純白のパンティーに自分の指を突っ込みました。
(だ‥‥!)
わたしは、自分を止められなくなっていました。
(だめになっちゃううう――‥‥)
もう、弾けてしまいそうでした。カラダが。そしてココロも。
「もう、もうっ、おかしくなっちゃいそおうっ」
(機械なんかじゃなくて、男の人――海田くんにこのカラダを‥‥)
(いえ、海田くんじゃなくてもいいから、荒々しくまさぐられたいっ‥‥。このいやらしいオッパイを強く揉みしだいて、お乳首をつねって、そして‥‥ちゅーっ、ちゅーって、音がするぐらい――うんと強く、吸いあげてほしいっ‥‥!)