紅香語り(6)-2
(でも、でも‥‥やっぱり海田くんがいい‥‥。海田くんに、このおっぱいに、ありったけの思いを込めて、むしゃぶりついてほしいっ‥‥)!
これらは嬌声をあげながらのわたしの心の声でしたが――。
「紅香、海田くんをもっと誘惑しなさいよ」
高まるうちに思い出されたその言葉は、現実に、わたしがお姉ちゃんから言われていた言葉でした。
(ゆ、誘惑って‥‥。ど、どうすれば――)
惑いながらわたしは、指を、純白パンティーの下にもぐりこませたのでした。その途端――。
ビクンッ!
いやらしいアソコへの刺激に、わたしの全身が鋭く反応しました。
わたしは体をのけぞらせ、
「あああああぁンッ‥‥!」
と、自分でも色っぽいと思う、エッチな
しばらく時間が経って――‥‥。
ハアハア、ハアハア‥‥。
ハア、ハア、ハア‥‥。
「ああ‥‥」
荒い息を吐きながらも、わたしは手を休めることに成功していました。
小休止、でしょう。どうせまた、熱く火照ったこのカラダがいやらしくなるに決まっていることを、わたしは予感していました。しかしまたわたしは、束の間であろうそのひととき、自分の本音、本心に迫ろうとしていたのでした。
(ちがう‥‥)
わたしは、自分に正直になろうとしていました。
(わたしにとって本当のプレッシャーといえば――ちがう‥‥)
そうです。ちがうのです。それは、摩擦ブラの着用、ではないのです。ふたつ、あります。
ひとつは、おっぱいのサイズアップ、です。
わたしはそれを、お姉ちゃんから課せられているのです。学校での、学習の数値目標のように‥‥。いわゆるトップバストのサイズで、二センチアップ、と‥‥。つまり――。
「いいこと、紅香。つまり、バスト九五センチを達成すること」
と、命じられているのです。
「そのときそうなってないと、また調教開始するわよ。最初の、集中調教期間からね♡」
――ふたつめが、片桐さんの、あの「研究室」なのです。お姉ちゃん-「研究室」ラインから次から次へとやってくるわたしたち姉妹用の責め具の勢いは、まるで呪いの箱から次々と溢れてくる、黒く妖しい宝石のようでした‥‥。
姉妹。
そうです。わたしは、自分の身だけがかわいいのではありません。妹が、心配なのです。ラジコンブラもどうやら、桃香用がすでに準備されているようなのです‥‥。