桃香語り(6)-2
まだボンヤリとしていて、実行にうつすには時間がかかるでしょうが、アレしかないように思っているのです。
しかし、あの「ざいだん」は、どういうところなのでしょう。いままでの、身長計やあのけんか装置、紅香お姉ちゃん用のオープンブラに純白パンティー‥‥といったアヤしいものにお金を出してくれるばかりか、その究極とも言えそうな、あんな「さいいんよう液」「さいいんシステム」なんてものまで作ってしまうなんて。
「ざいだん」製のアヤしい物は、それらさいいんシリーズ(?)だけじゃありません。わが家に取りつけた「けんかそうち」もそうですが、昨日、白香お姉ちゃんは、紅香お姉ちゃん調教の「集中期間」のラストにあたり、新たにブラジャーを二種類、持ってきたのです。お姉ちゃんが言うにはそれらは、「ざいだん」製だということでした。単に、お金を出してくれたオープンブラとは違って。
うち、ひとつを、お姉ちゃんはさっそく、紅香お姉ちゃんに装着させました。それは「RCブラ」というものでした。
おもちゃのように、コントローラーで操作できるブラジャーです。それで、別の人が、装着してある女体のおっぱいを離れた場所から、手を触れずに自動的にモミモミできる、というシロモノです。
ブラジャーのカップ部分に特殊なせんいを仕込んでいて、それでえんかく操作する、という説明でした。すえ置きの式の小さな黒い本体があって、そこからブラジャーへ電波を飛ばすのだそうです。
コントローラーはゲーム機に付いてるやつみたいな感じで、そこから本体へとケーブルが延びているのもゲーム機みたいですが、画面はなく、また、お店で売っている物をつなぎ合わせたような、手作り感があります。たとえば、ケーブルが本体へ入るところは、いかにも「開けた」という感じの、不恰好なぎざぎざの穴があったりします。
「パワーは、それほどでもないんだけどね。強化型も出来てきてはいるらしいんだけど」
白香お姉ちゃんはそう言いながら、さっそく紅香お姉ちゃんに使ってみたのですが、ただでさえ感度が上がっている紅香お姉ちゃんの乳房は、それで十分だったようで、紅香お姉ちゃんは、
「ああっ、こっ、こんなっ‥‥。こんなので感じちゃうなんて――」
と言いながら、その場に崩れ落ち、
「あん。あああん‥‥。おっ、お姉ちゃん、止めてっ。止めてええっ――あっ、あああンっ‥‥」
と、すぐに乳ペットぶりを発揮し、甘く鳴きはじめたのでした。
たしかに、スゴイ道具ですが――‥‥こんなヘンタイな物を開発するあの「ざいだん」の研究室って、わたしが考えても、かなりアヤしいというものです。まあ、その場で即座に、口では、
「わー、すごーい。面白―い。桃香にもやらせて、やらせてー」
と、甘え声でそのコントローラーを白香お姉ちゃんにおねだりしつつ、
(こっちにも使えるよね。サイズを大きくしたのを作ってもらえれば‥‥)
と、その白香お姉ちゃんの豊かな胸のふくらみを見ながら考えていたわたしも、そうとうアヤしい妹なのかもしれませんが。
お姉ちゃんはそこまで言いませんでしたが、あのアールシーブラは「さいいんシステム」と同様、研究室の、あの変態なんとかリーダーさんが、作ったのだと思います。
でも、わたしが見るに、どうもあの人は、白香お姉ちゃんには、興味がないようなのです。つまり、大抵の男の人なら、たとえば海田お兄ちゃんでもたまに目を奪われている白香お姉ちゃんのあの爆乳に、いまいち関心を見せないのです。少なくとも、お兄ちゃん以上には。だから、紅香お姉ちゃんに対するお兄ちゃんの役は、あの人には振れません。
(とすると、やっぱり、あいつかな‥‥)