桃香語り(2)-2
「いやあっ、海田くんっ。――べ、紅香のおっぱい伸ばさないでええっ」
紅香お姉ちゃんはそう叫んで、自分の体の上の海田お兄ちゃんを押しのけようとします。途端に、これに、
「紅香っ! いいところなのに、そういうこと言わないっ! 海田くんのやる気がなくなっちゃうでしょう?」
と、白香お姉ちゃんの叱責が飛びます。
「うう‥‥だ、だって‥‥」
紅香お姉ちゃんは口をとがらせました。――確かに海田お兄ちゃんは、一旦体を離し、真下の紅香お姉ちゃんと、こちらの白香お姉ちゃんの顔とを、見較べていました。
(いいのか――?)
という
もっともわたしには、そうなったのは紅香お姉ちゃんの態度よりも、白香お姉ちゃんのきつい
「紅香、また縛られたいの? そうしてもいいのよ、わたしは。あなたが、緊縛姿を海田くんに見られたくないから、お姉ちゃん、しなかったのに」
と、白香お姉ちゃんは一喝しました。
紅香お姉ちゃんは、しゅんとしてしまいました。その左右のおっぱいは、ことにたったいま吸い伸ばされていた左の乳山には、早くも海田お兄ちゃんのよだれらしいものが付いていました。それは、頂点の桜色の乳首、そして乳輪のあたりからたらたらと垂れていて、なんともいやらしい眺めでした。わたしのお姉ちゃんながら清純そうなその顔と、
(白香お姉ちゃんも、同じように「そそる」になっているのかな‥‥)
わたしは、そんなことを思いました。
とにかくそうして、白香お姉ちゃんは、
(今度は、途中でやめたら承知しないわよ――)
とでもいうような、物凄い形相で。
「あああっ。いや‥‥おっぱい、そんな‥‥。いや‥‥く、うう‥‥」
払いのけることも、大きな声で鳴くことも禁じられた紅香お姉ちゃんは、手で自分の口を押さえて喘ぎ声を噛み殺したり、ソファの端を手でつかんだりしながら、全身で悶えていました。
その眉根はぎゅっと寄せられ、目には涙らしきものも浮かんではいましたが、しかし、だらだらとよだれを垂らされてぷるんぷるんと揺れ踊り、また吸い伸ばされて細長く変形するやわらか
(これが、白香お姉ちゃんがいつか言ってた「ひぎゃく美」というやつ? 違うのかな――)
と、わたしとしては、楽しめる光景でした。それとともに、わたしの頭のなかには、この前出た「マゾ体しつ」のことも、再びめぐっていたのでした。
(「体しつ」――体の性しつって言うなら‥‥)
じゅぶじゅぶといやらしい音を立てて吸われる紅香お姉ちゃんの
(