桃香語り(1)-1
紅香お姉ちゃんを「半にょ体もり」というのにしたときの、海田お兄ちゃんの驚きようったら、ありませんでした。
「わっ、わっ、わわわっ‥‥?」
白香お姉ちゃんに招かれてリビングに入ってきたお兄ちゃんは、本当にマンガみたいに、目を丸くして、飛び上がりそうになっていました。そのままぴゅーっと、玄関から逃げて行っちゃいそうでした――実際には、その場に踏みとどまりましたが。
「ううー、いやー‥‥。紅香のおっぱい、お皿じゃないのにぃ‥‥」
紅香お姉ちゃんはいやいやと首を振っていましたが、ソファの背にまわすように手を縛られているので、どうにもなりません。結局、お姉ちゃんのやわらかおっぱいとそのまわりは、わたしと海田お兄ちゃんと白香お姉ちゃん、三人のお皿になったのでした。
やがて盛り付けが終わり、半裸の――といっても、着けているのは白い木綿のパンツだけ。当然、Hカップのぷるぷるおっぱいは丸出しです――紅香お姉ちゃんを、三人で囲んだのですが、わたしは、最初、緊張してなりませんでした。
紅香お姉ちゃんのハダカはそれなりに見慣れてきていたのですが、こうして目の前に、上向きに乳房を出されると、どーん!と、やっぱりマンガみたいに音が聞こえてきそうで、そのいやらしさに戸惑い、緊張し、そしてなんだか、わたしまでヘンな気持ちになってきてしまったのでした。
いえ、わたしは、お姉ちゃんのツンと上向いた乳首、そしてぷるぷるした白い大きなふくらみには、素直に、
「わー、おいしそうー」
と思ったことを言いました。たぶん、目を耀かせながら。
でも、この大きいけど可愛いモノが自分の胸にも付いていると考えると、なんだか妖しい、ムズムズするような気持ちも、同時に湧き起こってきていたのでした。
(いやとか言ってるけど、本当にいやなら、足は縛っていないんだし、吊るされているよりは自由に体を動かせるんだから、暴れられるはずなのに‥‥)
そんな思いは、以前、白香お姉ちゃんが、
「紅香はね、あれで
と、にやにや笑いながらわたしに言っていたことを、思い出させました。
「マゾ体しつって、なーに?」