桃香語り(1)-2
「
「エムって?」
「‥‥うーん‥‥。弄られれば弄られるほど、気持ちよくなっちゃうカラダ、ってこと。今度、シャーペンで確かめてみるわ。――あ、コンパスもいいかも‥‥」
お姉ちゃんが苦笑いしながら言っていたので、その場はそれ以上聞けなかったのですが‥‥。ただ、目の前のこの状況は、それを裏付けているように思えました。
(こんな格好になって、「うー」とか言うだけで暴れないなんて、紅香お姉ちゃん、やっぱり気持ちいいのかな‥‥)
(わたしは、これをされても、気持ちよくはならないと思うな‥‥。第一、わたしのおっぱいじゃ小さくて、紅香お姉ちゃんみたいに豪華な感じにならないだろうし‥‥)
そんな思いが、ソファの上、紅香お姉ちゃんの上体の左側に正座するような格好のわたしの頭のなかを、駆けめぐっていたのでした。
そしてまた、見ると、海田お兄ちゃんも、緊張気味の様子でした。しゃちほこばって、床の絨毯の上に正座していました。もっとも、その角度からは、ソファに縛りつけられた紅香お姉ちゃんのカラダを下から見上げるようになるので、そのほうが「そそる」のかもしれませんが‥‥。
「ほら紅香、このスイーツをペロペロしちゃうよ」
わたしたちふたりの緊張をほぐそうというのか、紅香お姉ちゃんの上体を挟んでわたしの真向かいに陣取った白香お姉ちゃんが、お約束のようにそう言いながら、紅香お姉ちゃんのおっぱいを舐めまわしはじめました。わざとのように、舌を長く出して。
「ひゃうっ? ひゃううううっ」
びっくりした紅香お姉ちゃんは、可愛い鳴き声をあげました。
お姉ちゃんふたりのその様は、エッチというよりはTVのバラエティ番組みたいで面白くて、わたしは、けらけらと笑ってしまいました。
かと思うとまた白香お姉ちゃんは、顔を前に出して、口をすぼめてその紅香お姉ちゃんのピンクの乳首にキスして、ちゅちゅーっ、とこれもわざとのように、音を出して吸いあげたりします。
吸う、といっても、女子校生の紅香お姉ちゃんのおっぱいは別に母乳が出るわけではないので、正しくは、吸いあげるマネ、ですが。それでも、その様は十分にいやらしく、わたしも体がぞくぞくしてきて、
(白香お姉ちゃんに負けないように、頑張らなきゃ‥‥!)
という気になったのでした。
――白香お姉ちゃんは、この席の日の最後に、紅香お姉ちゃんにプレゼントをしました。わたしが言いつけられて、白香お姉ちゃんの部屋から持ってきました。
それは、清純な光を放つ、純白のパンティーでした。