白香語り(5)-1
そして、数日が過ぎた。
わたしは、日常的に紅香に悪戯するようにしていた。調教そのものは海田くんに任せるつもりだけど、それは“つなぎ”の意味もある。最終的には紅香をわたしのペットにするためにも、わたしが仕込んでおく必要がある。
また紅香には、しばらくの間、家の中では日常的に下着姿で過ごすことを命じた。ブラとパンティー、そしてニーソックスだけのスタイルで、だ。まだ肌寒い日もあるので、室内の温度には気を配ってあげた。
「いや、こんなの‥‥」
紅香はそうつぶやきながらも、わたしの言うとおりにした。紅香のその羞恥感あふれる姿を、わたしは意識的にじろじろ見るようにもした。桃香もわたしに倣って、同じようにした。二人分の淫視線が、日々、交差して紅香に突き刺さることになり、紅香はそのなかで羞恥に染まりながら身悶えしていた。
そして、今日。
わたしはまた、海田くんをわが家に呼んだ。新たなメニューがあるのだ。
「や、や、こんなの‥‥」
彼に見られるのが恥ずかしいのか、その格好自体が恥ずかしいのか、紅香はうめきつつ、大きく反らせた上体に菓子類を乗せて、羞恥に悶えていた。
わたしが今日、紅香にさせたのは、半女体盛り、というやつだ。女体――つまり紅香の体を上向かせ、リビングのソファに縛りつけたのだ。両腕は、頭の上のほうへ。紅香は、無防備に胸を空にさらすことになる。
もちろん、その胸には、何も着けさせていない。というより、着用を許しているのは、パンティーのみだ。紅香のその落ち着いた桃色のパンティーは、下半身の急所をかろうじて守っていた。
が、この半女体盛りの目的は、ずばり、おっぱいだ。紅香の豊かでやわらかな九三センチの乳房は、桜色の蕾を頂点に、無防備に、無力に、それぞれさらされている。
この紅香のやわらかい胸にお菓子を盛ってゆき、つまみながらミニパーティーをやる、という趣向だ。わたしが手際よく、そのぷるぷると波打つ「お皿」に、オーブンで焼いたカスタードプリンや、パンティーよりくっきりとしたピンク色の、これは市販の小さなハートチョコレートを乗せてゆくと、
「わー、わー、すごーい。お姉ちゃん、すごーい」
と桃香は、素直に感心していた。その「お姉ちゃん」がわたしか、それとも紅香なのかはわからなかったが、わたしは、
「見てないで、手伝いなさいよ」
と、この末妹を促した。そして、おっぱいを突き出して顔を真っ赤にしている次妹に、
「海田くん、そろそろ来るかな? ――来て、紅香のこの姿を見たら、さぞ、ビックリするでしょうね」
と、にやにや笑いながら言ってやった。