白香語り(3)-1
くすぐりを終え、しばらく紅香と自分の手とを休ませることにしたわたしは、桃香に、涙が光る紅香の顔を拭かせた。そして、冷たい飲み物を持ってくるよう言った。桃香はいそいそと、トレイにわたしの好きなジンジャーエールを乗せてやってきた。そのつぶらな瞳には、いま見たものへの興奮と、わたしへの尊敬の念の光があった。
(使いやすくなっている‥‥)
そんな手ごたえを感じつつ、わたしはストローで、冷たいジンジャーエールを飲んだ。
休みが終わると、次はシャーペンを使うことにした。紅香のシャープペンシル。それを、桃香に持ってこさせた。カチカチ、カチ‥‥と、わざと紅香の目の前で、芯を出し入れしてみる。
「お、お姉ちゃん‥‥。ど、どうするの、それを‥‥」
思ったとおり、紅香はみるみる蒼くなってゆき、わたしは嗜虐心を覚えた。実際には芯それ自体は使わないのだから、パフォーマンスに過ぎないのだが。
「ふふふ。これはね‥‥こう、するのよ‥‥ホラ♡」
わたしは言い、おもむろに紅香の、空に突き出された乳首にそっと突き立てた。
「ひゃっ、ひゃうううん!」
繰り返すが、そっと、だ。しかしそれでも、細いその銀色の金属を突き立てられた紅香の胸の桜色の蕾は、主、つまり紅香の体の動きに合わせ、面白いようにぷるんぷるんと揺れた。
「ひゃっ、ひゃああああ。や、やめてえぇっ‥‥お姉ちゃん‥‥!」
妹・紅香は裸体をよじって哀願する。
「ふふふ、なによ? まだちょっとツンとやっただけでしょ? ――ねえ桃香、もっとツンツンしちゃおうか。ねえ?」
わたしがもうひとりの妹に振ると、打てば響くように、
「うんうん! やっちゃおうやっちゃおう!」
と、きゃいきゃいと賛同を示してくれた。
(このコンビネーション‥‥!)
わたしは感動した。これでこそ、わが妹というもの。感心感心。
「ああ‥‥」
紅香は観念したように、がっくりとうな垂れる。その様も、わが妹ながら、なかなか被虐の美を感じさせるものだった。わたしは容赦なく、額から乳房にまでかかる紅香の髪を払い、露わになった敏感な双子の蕾に、そのぷっくりとした桜色の乳首に、宣言したとおりシャーペンの細い金属の先端を、ツンツン、ツンツン、と、断続的に突き立てた。
「ほぅらほら、ほぅらほらあ♡」