あなたは平凡な男子校生。(3)-3
「わたしが決めた調教期間――集中調教期間中、キミに頼むのは、あのコの、おっぱいの調教、のみ。それ以外のことは頼まない――いえ、あらかじめ禁止させてもらうわ。そして、その期間中は、わたしの指示に従うこと」
蒲生白香は、目に妖しい光を浮かべてつづけた。そして、噛んで含めるように
「この条件を守ると約束してくれないなら、わたしはまた、別の誰かをあたるわ。紅香のおっぱいに目をつけてるのは、海田くん、キミだけじゃないの。競争率、凄いのよ」
この無遠慮な言いざまに、あなたは乗ってしまった。これが挑発であることを察しつつ、気がつくと反駁していた。
「べ、別に――おぱ‥‥い、だけじゃねえよ。なんだよ、あんた」
「じゃあ紅香の、他に何が欲しいのよ?」
「――あ、あのコの、こ、こ、心だよ‥‥」
言ってから、あなたは自分の顔が赤くなってゆくのを感じていた。蒲生白香は吹き出した。
「くく、く‥‥。――ご、ごめんなさい。くく‥‥」
そして、掌をひらひらさせて、つづけた。
「ふふ、無理しない無理しない。あなたの性癖はリサーチ済みなのよ、海田くん。おっぱいが大好きなんでしょ? それも巨乳が♡」
図星を突かれたあなたは、さらなる動揺を隠せなかった。まったくその通りだった。
あなたは、ギャルゲーム、いわゆるギャルゲ好きだった。といっても、その道で何かを極めたツワモノでもなければ、同好の士から高く評価されるような根性の据わったプレーヤーというわけでもなかった。単なる「好き」のレベルだった。いくら熱心に上位を目指しても、上には
それらのギャルゲームはおもに、いわゆる巨乳ものが多かった。女は巨乳に限る。それが、あなたの信条だった。――しかし、リアル現実の女のコとつきあうのは、あなたは苦手だった。
「姉のわたしが言っちゃうけど、あんな美少女の巨乳を、ただでモミモミしたりできるのよ? わたしの指示に従ってくれるなら、舐め舐めしたりちゅーちゅーしたりもできるよ? こんな機会が、他にあると思う?」
にりにり、にりにり、にりにりにりにり。にりにりにりにりにりにりにりにり‥‥。
まるであなたを催眠術にかけようとでもいうように、蒲生白香の豊かな乳房が左右に動く。
あなたは、幻惑されまいと必死に闘いながら、ある疑問を口にした。白香が言ったことの、ある部分に関することだった。
「さ、さっきあんた、調教――期間とか言ったけど、それって、どれくらいなんだ」
これを聞くと、蒲生白香は意外そうな顔をしたが、すぐに悪戯に目を光らせ、ジンジャーエールを一口すすった。にりにり‥‥は、とりあえず、止まってくれた。