あなたは平凡な男子校生。(1)-1
あなたが紅香のおっぱい調教を頼まれたのは、四月の後半だった。
新学年の、新しいクラスにも慣れたかな、という、うららかな午後‥‥。
学校の帰り、あなたが通学に使っている電車から、乗り換えに使う駅のホームに降り立ったところだった。あなたは、ハッとした。
「海田くん、ね?」
「え、あ、はい‥‥」
その巨乳の美人は、あなたを値踏みするかのように、理知的な目を涼しく光らせていた。明るく、ふんわりとカールした長い髪も、そのボリュームの割には涼しげだった。
美人といっても、紺のブレザー――学校の制服を着ているから、年齢はあなたとそう変わらないだろう。美少女、といったほうが適当かもしれなかった。しかし、言葉を翻すようだが、学校の制服を身にまとってなお、彼女は大人っぽく見えた。
そして、胸も‥‥。
「お願いが、あるの‥‥」
彼女は、紅い唇から、艶っぽい声を出した。まるで、おねだりするかのように。
理知的な両眼を、涼しく、しかし妖しく光らせて。
意識したものかはわからないが、紺のブレザーと白のスクールシャツの胸を、どんとこれでもかと盛り上げている巨乳が、魅惑的に、いや蠱惑的に、揺れた。
「――‥‥あの、海田くん、聞いてる? いい?」
「え? あ? は、はい?」
巨乳美少女の問いかけへの、あなたの返事は、大人に対するそれのように畏まっていた。思わず背筋も伸びていたかもしれない。
彼女のふくらんだ胸に視線をやってしまっていたあなたは、いろいろ妄想して上の空になってしまっていたのだ。彼女は、それに気がついていたのかどうか‥‥咎める様子はなく、もう一度言うわよ、というように、あなたの目をその色っぽい目で見やり、言った。
「ねえ、ここじゃうるさいから、外に出て話さない?」