ギルティ、仮面に隠した-1
地面を蹴ったデスは、半秒の間に間合いを詰め俺にその大きなデスサイズを振り下ろした。
紙一重でかわす。
デスの腹部めがけて力いっぱい拳を放つ。
デスは当たる寸前で後ろに跳躍し、直撃を避けた。
「やっぱり、能力を使うしかねえか」
俺の掌にスパークが取り巻く。
ちゅん ちゅん と放電時特有の効果音が流れている。
デスは着地した所からまた強く地面を蹴り、俺の旋毛の真上から俺めがけて急転直下に降りてきた。
俺の掌にリンゴサイズの暗黒が渦巻く。
向かってくるデスに投げつける。
「ぬぉぉ」
デスが吹き飛ぶ。
空中できりもみして背中から地面にたたきつけられる。
「なんだ? 今ので終わっちまうのか。斥力+2だぜ。」
俺の能力は重力操作だ、斥力と言うのは重力の反意語である。
「ぐ、げふ」
デスはよろりと立ち上がり、デスサイズを空中へ投げた。
デスサイズはデスの頭上でとどまり、巨大化。
もはや刃の部分だけで先ほどのデスサイズほどの大きさがある。
それは巨大化しきると2つに分裂した。
「殺す 殺す 殺す!」
そのまま突っ込んでくる。
デスサイズAが右側から、Bが左側から襲ってくる。
跳躍しよける。空中でまた重力球をつくる、時間が短かったためピンポン球サイズである。
AとBが交錯している点に向いてなげる。
重力球に巻き込まれるようにAとBは地面に突き刺さった。
「重力+ 質量が大きければ大きいほど重力を強く受ける」
デスはAとBを手を使わずに抜き、Aを俺に向かってとばしてくる。
地面に着地したばかりの俺は体勢を崩していた。
Aが独りでに横なぎを放つ。
俺の腹の皮を切ったそれは主人の元へ戻って行った。
「ははぁ くうぅくくく」
デスはなんとも下品な笑い声をあげた。
「かすったのがそれほどうれしいか? やはりそれほど大きい質量の物をそうさするのは難しいようだな、普通なら俺を上半身と下半身に分けることが出来ていただろうに」
血がにじむ、痛くないと言えば嘘になるが、死ぬほどではない。
俺の挑発にデスはまんまと乗ってきた。
「殺す! 殺す!!」
AとBを頭上に浮かしたままデスの三度目の突進。 デスには高い知力が備わっていないのだろう。
重力球を掌に作る。 今までより大きな重力球、だいたいバスケットボールほどである。
デスに向かって投げる、球はデスの頭上方向に飛んでいった。
「外した! 最後だ!」
「いや、最後なのはおまえだ」
デスの頭上からデスサイズABが落ちてくる。
「なあ! ぬあぁぁぁ」
デスの体にデスサイズが突き刺さり、塵となって空中に霧散した。
「重力+15 外したんじゃねえよ」
俺は仰向けに倒れた、オーラの使いすぎと腹からの出血。
正直つかれた。
〜フィールド外の様子〜
広樹が能力を使い始めたと同時にドミドがわんさかわいてでていた。
先刻のミミズ型やクラゲのような姿のもの、アメーバーのようなドミドもいた。
「来たな。 てゃあ! はあぁ!」
凪は木刀にオーラをまとわせて、ドミドを切り刻む。