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よだかの星に微笑みを(第三部)
【SF 官能小説】

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それぞれ勝手に-2

帰りしな、地下鉄の中で考えた。
「よその組織になら就職できるかもな。いや、自分のところから門前払い食ってるようじゃだめか。でも、なんでそもそも就職なんてするんだろ。」
生きるため、食うための仕事であれば、所詮、している事は野生動物と大して違わない訳だ。作ったり貯めたり、そこの所が若干進歩しているに過ぎない。しかも、自営業ならともかく、就職というのは、自立の証の如く見られる割に、人に雇ってもらっている点で、結局は人を頼っている訳だし、寄生にさえ似ている気がしてならない。なら最初から、より寄生に近い方を考えたらいい。
「ヒモかどうかはともかく、芸術家にパトロンはよく居たもんな。人に頼って生きて、何が悪いのか分からん。」
アパートに着いたら、ドアの前にアンカが座って待っていた。笑顔で俺に言った。
「お帰り。」
見ると、あちこち怪我をしている。
「どうしたの? 大丈夫か?」
「飲みに行かない?」
「店はもうやってないよ。中で飲む?」
「蘭のうちに行こうよ。」
「飛べる?」
「何とかね。」
ところが、変身の仕方が俺はまだ分からないのだった。幾分、酔いも醒めていた。
「何よ、自分で言っといて。あそこ、嗅ぐ?」
「こんな所でできないよ。蘭をこっちに呼び出そう。」
蘭とも俺たちは、個別の回線を作ってあった。蘭はすぐ応答した。
「いま仕事終わったばっかりで、疲れてるけど、ちょうどいいや。待ってて。五分で行く。」
五分。カップ麺並みだ。本気ならば、時速何キロ出すつもりだろう。
蘭を待つ間、俺たちは部屋に入ったが、アンカは入るとすぐ裸になった。
肩から腹にかけて深い切り傷、太腿を貫通した刺し傷、背中には火傷があった。左の乳房がほとんど裂けていた。
「何だよ、これ!」
「痛いけど明日までには治るよ。薬も要らない。」
実際、アンカは平気なようだった。血も流れていない。
一応安心した俺はアンカの股間に顔を寄せ
「ここが一番深く裂けてる! 穴まで開いてる!」
「そこは男子が塞ぐまで治りません! ほら、塞いで!」
アンカは俺の鼻面を股の割れ目に挟み込んだ。 


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