梨花-7
「あーっ、凄い染み。恥ずかしい」
「嘘、やだ、嘘でしょ」
梨花は思わず手をやって確認している。
「馬鹿、一瞬青くなっちゃったじゃない」
「自分でバイブを入れるような女が濡れたくらいで恥ずかしがるか」
「それは恥ずかしいよ」
「水着ってどの水着?」
「ううん、今日出勤する前にデパートで買った奴。水着ってあそこにビニールが貼ってあるの知らないでしょ」
「ビニール? そんなこと無いだろ、他の奴にはビニールなんて無いじゃないか」
「それはネ、売っている時はみんな貼ってあるのよ。それを買ってから剥がすの」
「ほう、そうなのか。それは知らなかったな」
「なんでそうするか分かる?」
「それはビニールなんて貼ってあるとついおしっこしてみたくなっちゃうからだろ」
「厭ね、そうじゃ無くて何で初めは貼ってあるかっていうこと」
「ああ、それは多分試着する人がいるからじゃないか?」
「そう、試着する人がいるからって言うより、試着しないで買う人なんていないのよ」
「そうか? 水着はみんな伸びるから試着しなくても大丈夫なんじゃないか」
「やっぱりオサムも男ね。サイズが合うかどうか試着する訳じゃないのよ。着た時にどんな感じに見えるのか確認する為に試着するの」
「おお、なるほど」
「何がおおよ。全く時代がかって」
「それでどんな水着買った?」
「それは秘密、でも知りたかったらトイレに行ってらっしゃい」
「何で? トイレに置いてきたの?」
「何で? お店のトイレにパンティ脱いで置いてくる馬鹿がいる訳ないでしょ」
「パンティじゃなくて水着だろ」
「パンティの代りに穿いてるんだから同じよ」
「トイレに置いてないなら何でトイレに行くんだ?」
「トイレでパンツ脱いでいらっしゃい、そしたら私の秘密と交換してあげるから」
「ああなるほど、でもそうすると俺は2回トイレに行かなきゃならないから、逆にしよう。まずお前がトイレに行って脱いで来いよ」
「駄目よ、私はバイブ入れてんだから。押さえる物が無いと落っこちちゃうでしょ。こんな所でバイブがコトンなんて落ちて来たらパニくって死んじゃうよ」
「そういうことならしょうがないか」
オサムはトイレで自分のTバックを脱いでくると席に戻って梨花に渡した。2人はこういう風に出先で互いの下着を交換するということを良くやる。二人の間のちょっとした遊びである。梨花はオサムが今まで穿いていた下着を手の中に丸めて立ち上がると芝居がかったウィンクをしてトイレに行った。戻ってきてハンドバックからスルリと素早く出して渡したのは白いエナメルのパンツである。オサムはそれを鼻に持っていって匂いをかいだ。
「いやだ、何してんのよ」
「うん、臭い。鼻が曲がりそう」
「馬鹿、恥ずかしいことしてないで早く行ってらっしゃい」
「これならいくら濡れても染み出してくることはないだろう」
「そうなんだけど実際には不安に思うものなの」
「どれくらい濡れてるのかな」
「そんな所で広げてないで早くトイレに行きなさい」
「恥ずかしいのか?」
「オサムのやってることが恥ずかしいのよ」
「それじゃビチョグチャを穿いてくるか」
オサムが再びトイレに行って戻ると
「どう、どんな感じ?」
「うん、ちょっときつい。これは伸びないからな。玉が押さえつけられてめり込んでる」
「それが気持ちいいでしょ」
「ちっとも良くない。なんかこう鈍い痛みって言うか・・・」
「それそれ、その鈍い痛みがいつしか快感に変わるのよ」
「馬鹿、人のことだと思って適当なこと言ってるな」
「貴方は人じゃ無いの、私自身なの」
「何だそれは、聞いたことがあるな」
「私の拡げた両腕が貴方の水平線よ」
「そんなのを知ってるのか」
「そうよ、ポエトリー」
「玉を押さえつけてる部分がヌルヌルしてて気持ち悪いことこの上無いんだ。拭いても梨花のはしつこいから落ちないんだよな」
「それは気持ち悪いんじゃなくて気持ちいいということなの」
「暫くするとこのヌルヌルの当たってる部分が腐って溶けて来そうな気がする」
「それならヌルヌルを出す私のあそこがとっくに溶けてるでしょ?」
「梨花のあそこは毒性に対する抵抗力が強いんだ。だからあんな臭いウンコを溜めてても平気なんだ」
「一体何処の話してるの? 私のヌルヌルはお尻から出て来るんじゃないの」
「そうか」
「オサムのヌルヌルも出てきたでしょう?」
「梨花のヌルヌルに誘発されたんだな」
「私達のはヌルヌル同士仲がいいんだね」
「俺たち二人が仲良しだからだろう」