梨花-52
「オサムってやっぱりお母さんが特別なのね」
「どうして?」
「だってオサムみたいな理屈屋が、お母さんの言うことだと頭から信じるんだもの」
「別に頭から信じる訳じゃない」
「オサムって幸せに育ったのね」
「ん? まあお前と比較すればな。お前と比較すれば誰でも幸せになっちゃうけど」
「うん」
「でも今は幸せになっただろ」
「うん。幸せで怖いって何のことだろうと思ってたけど今は分かる。だって幸せだから後はもう悪くなるばっかりみたいな気がするから」
「変なこと考えるなあ。幸せだって不幸だって上には上があるさ」
「そうかな。私今より上の幸せなんて考えられない」
「そうか。そんなに幸せか?」
「うん。オサムのお陰で」
「そうだろ、そうだろ」
「オサムは?」
「俺もお前のおっぱい吸ってる時は幸せ」
「おっぱい吸ってる時だけ?」
「お前のおっぱい見てる時も幸せ」
「それ以外の時は?」
「お前のおっぱい見て涎垂らしそうにしてる男見てる時も幸せ」
「あのねぇ、おっぱい離れてオサムの幸せは無いの?」
「無いなー、それは。おっぱいが無かったらこの世は闇だ」
「まあいいわ。私のおっぱいで幸せになってくれるんだから。でももっと大きいおっぱい見つけても浮気しないでね」
「浮気はしない」
「本当? オサムおっぱいに抵抗力無いからコロッと参りそう」
「いや、お前のおっぱい以外に興味は無い」
「嘘、この前だってジュンのおっぱいばっかり見てたじゃない」
「見てない」
「見てたわよ。ああやっぱりこの人は露出しているかどうか、形がいいかどうか、そんなことより何よりとにかく大きいのがいいんだってつくづく思ったわ」
「うん。あれはデカかったな。お前といい勝負だった」
「ええ。殆ど同じくらいの大きさなんだけど、ジュンの方が全体に体が細いから大きく見えるわね」
「そうだな確かに」
「そういうの好きでしょ?」
「いや。俺は全体に肉付きのいいのが好きなんだ」
「フン、どうだか」
「いや本当だ。肉付きが無いと咬み心地が良くない」
「そうか。オサムの性欲は口にあるんだったわね」
「そう。だからお前が最高」
「デブだからね」
「デブじゃない。丁度いい」
「それじゃ私が痩せたら嫌いになる?」
「さぁーな。痩せてみないと分からない」
「どうなると私のこと嫌いになるの?」
「なんで? 嫌いになって欲しいのか?」
「違うわよ。嫌いになって欲しくないから聞いてるの」
「そんなこと考えたことも無いから分からんなー」
「まあいいわ。私のこと嫌いになったら無理心中してやるから」
「お前に殺されるならそれでもいい」
「本当?」
「ああ。例え、俺のことを殺しても俺はお前が好きだ」
「イタイ」
「どうした?」
「今のを聞いたらあそこが濡れてきて、ピアスの穴にしみた」
「お前ってああいう話しすると濡れるの?」
「うん」
「べつに厭らしい話じゃなくてまじめな話しじゃないか。実に麗しい夫婦愛の話だ」
「だって濡れたんだもん」
「変わった奴だな」
「でもこの痛みがいい。凄く愛されてるって感じがする」
「お前ってやっぱりマゾなんだよ」
「そうかなあ。私ってマゾなのかな」
「マゾじゃ無い。魔女って言ったんだ」
「馬鹿」