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よだかの星に微笑みを(第二部)
【SF 官能小説】

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豊かな日常-1

「ん?」
目が覚めた。もう夕方らしかった。当然、二日酔いである。
「囲まれてる。」
アンカが言った。
「バリヤー張るの忘れてた。」
目を閉じたまま蘭が呟いた。
俺たちは、折り重なって床に転がっていた。誰かの吐いたあとが床にある。人ごとでなく、俺かもしれない。
「攻撃してくるな。なんだ、岡田だ。」
「あたし、ここから落とせるよ。」
起き上がろうとして、また倒れた拍子に、蘭は大きなおならをした。
俺の上に折り重なったアンカの股がひどくにおってくる。さすがに今は吐き気がしてきた。そのにおいの主は
「三人いれば楽勝だけど、気持ち悪い。うんちしたい。出かかってる感じ。」
男女も身もふたもない。
「これ、できる?」
俺はステルス機能を使ってみせた。
「できる、できる。」
二人とも見えなくなった。
「みんな性能、いいよな。」
「痛い! そこ、おっぱい。」
蘭の声だった。
「においも分からなくなるんだな。」
「適当に指、入れないで。うんちするよ。ここって、勃ってるあれ? なんでこんな時に勃ってるの?」
「そっちに曲げるな! 折れる! 朝勃ちって言うんだよ。」
「ねえ、なんでこれしてるの?」
お互いに見えなくなってしまうのは想定外だったが、俺は
「他の人に迷惑かけるの嫌だから、バリヤー張ってからこれで逃げよう。」
「逃げるの癪だな。あたし、このうちにまた帰ってくるんだし。」
「一発くらい殴っとくよ。じゃ、窓から出よう。服、忘れないで。」
「なんで?」
「ついでに飲みに行こうよ。」
「気持ち悪いけど賛成!」
「うんち先にしていい?」
「間に合わない。」
蘭がバリヤーをマンションの周囲に張った。俺たちはステルス機能を使い、手を繋ぎあいながら、空へと飛んで出た。


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