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よだかの星に微笑みを(第二部)
【SF 官能小説】

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藤澤蘭(二)-1

目が覚めたら夜中だった。しかし電気は点いたままだ。生活感のない高級マンションのテーブルに、ふさわしからぬ焼酎の一升瓶が立っている。そして、黒い板張りの床に、全裸の女が二人、酔い潰れて転がっていた。
「ああ、気持ち悪い。」
ここに来てからのことがほとんど思い出せなかった。なぜ彼女らが裸なのかも分からない。
少し離れて眠っていた俺は、女たちに近寄ってみた。
「まあ、どうせだから。」
アンカの股を開いてみると、白いおりものが垂れていた。割れ目はいつものにおいだった。
悪いとは思いながら、蘭のほうも覗いてみた。
「これが渡部の宝物か。」
日本人の大人のものは見るのが初めてだ。
「まあ、こんなものか。薄い感じだな。」
しかし、指を差し込んでみて驚いた。肉厚の、複雑なざらつきだ。これがプロかと思った。
俺は、自分も裸である事に今気がついた。目覚めたてだから勃起している。プロの味を試してみたくなった俺は、蘭の中へ腰を突き入れた。
「あ!」
蘭は、反射的に口を閉じる食虫植物のように、俺をごつごつした肉で巻き込んだ。ゆっくり二、三回抜き差ししたら、射精してしまった。
「ううん」
蘭が目を覚まして
「弘前君、さっきあんなにしたのに、まだ足りないの? 気持ちいいから、あたしは構わないけど、そっちの体に悪いんじゃないの?」
記憶にない事だ。恐ろしいとは思ったが、蘭の夢かも分からない。
蘭はそのまま起き上がった。抜けた俺の陰茎をティッシュで拭いてくれてから
「ああ、おしっこ漏れそう。見る?」
「見る。」
洋式トイレに座った脚のあいだに俺が顔を置くと、女らしい勢いのある小便が溝から噴いて飛び散った。
「なんか、気持ち悪い。これが二日酔い? あ、拭いてくれると嬉しいな。」
アンカも起きてきた。トイレのドアを開けて
「なんだ。入ってるの? 早くして。漏れる。弘前君は何? あ、見てるのね。」
蘭と交替に座ったアンカのする様子も俺は間近に見せてもらった。
「ほんと、飽きない人だよね。」
アンカは溝を広げ、俺の顔に掛かるよう、狙って飛ばしてきた。拭かずに舐めさせられた。
「まだ朝じゃないよ。続き、飲もうよ。」
蘭はやはり酒に強いのかもしれない。
「裸でべたべたしながら飲むのって、なんか、いいね。男の子もいるし。」
アンカが言った。蘭は
「あたし、セックスが初めて気持ちいいって感じた。九歳のときからしてるのに。」
幸せな育ち方をした者は改造人間には居ないのじゃないかと俺はこの時思った。頭のいい人間も、先輩くらいしか思いつかない。ただし、俺は、枠外だとしておきたい。
蘭はまた、めそめそしてきた。俺もアンカに寄りかかり
「この腹筋とか、胸筋とか、男の俺はコンプレックスあるなあ。」
「なに、あんた達、甘えて。弘前君、また勃ってる! ついでに男らしいとこ、見せてよ。」
「労働したくない。」
「セックスしながら飲もうよ。」
蘭が、焼酎を飲んだ口に俺を含むと、舌で撫で付けた。そして
「あたし、子供の頃、大人に犯されてから、こんな事、何でもないんだって、こういう行為にわざと励んだのね。今の仕事もその続き。そのうち、するのは事務的に処理できるようになったけど、憎らしさが消えなかった。だから組織に入ったんだ。」
「蘭の組織、あたし知らないんだけど、どういうこと?」
アンカが股間に俺の顔を挟んで尋ねた。


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