小さな日付の枠の中に-4
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気がつくと俺は、1991年のスケジュール帳を持って 押し入れの前に立っていた。
(夢…… 白昼夢だったのかな?)
そう思っていた俺は、足元を見て驚いた。
靴下がドス黒く汚れていた。
今のこの姿で過去に行ったものだから、靴下のままで行動してしまってたんだ。
それに…… サイフからヌシの五百円札がなくなっていた。
さらにその夜、俺はオナニーを始めて今までと違う快感に気づいた。
あの女の子のちっちゃなちつの中で感じた温もりと締まりが、チンチンを触ると再現されるようになっていたんだ。
(ホンモノだった…… 俺はホントにあの日に戻って、ホントにやりたかった事が出来たんだ。)
○
だけど、その後のスケジュール帳をいくら読み返しても、記述に何一つ変化したキーワードは見つからなかった。
どうやら俺は あの子以外の子と、セックスするチャンスはなかったらしい。
【おしまい】