捨て猫の詩-1
暗い夜道を
電灯の明かりを頼りに歩く
シタシタと雨が歌う
人に蹴られてズタズタ
守ってくれる人はいない
足早に過ぎていく体内の時間
夜と雨が消えて浮かんでくる光のパズル
雲の隙間から
光が差し込む
そして
人々は生活を再開する
いつもと変わらない
一定のリズムに守られた一日を
そして また 私は歩く
高層ビルの日影に咲く花が
いつか陽の光を浴びることを願って…
誰も来ない日影
いつか
陽の光の当たる場所へ…
fin.