【夜に咲く花】-8
「愛花」
とろんとした顔して熱い息を吐いている愛花の体を抱き締める。
「あっ、や……お兄ちゃん……」
何事が呟いた愛花の言葉なんか、無視だ。軽く、あくまでも穏やかに愛花の唇に唇を重ねる。
「あっ……んっ……」
そっと唇の間から舌を忍び込ませると、愛花が小さく息を漏らした。そのまま、ゆっくりと、まさぐるように愛花の口の中を嘗め回す。
「あっ……、もう、駄目……」
唇を離した時、熱い息の下からつぅっとお互いの唇に糸が渡った。愛花が、ちらりと舌を動かして、それを外す。
その様子がおかしくて、更に愛花の体に舌を這わせようとした俺に、愛花はその身を起こしながら、さっきよりも強めの口調で「もうやめてよ、お兄ちゃん!」と言った。
「なんだよ、その言い方」
思わずムッとしてしまう。
あんなに気持ち良くさせてやったのに。あんなにたっぷりと抱いてやったのに。
お前だって、すっげぇ気持ちよさそうだったのに。
違うのか?
逃げようとした愛花の腕を掴んでソファの背に押しつける。愛花の火照った腹の上を、俺の吐き出したドロリとした白いモノが流れた。俺はそれを指先にたっぷりと掬い上げると、嫌がる愛花の唇の間に有無を言わさずねじ込んでやった。
「やっ!やめっ……てっ……ば!……もっ!……んっ、んっ!」
「舐めろよ、ちゃんと」
そのまま突っ込んだ指で愛花の口の中を擦るように捏ね回すと、ジタバタと抵抗していた愛花は、次第に俺のモノを咥えているかのように熱い息を吐き出した。可愛い舌が俺の指に絡みつき、暖かい指の先から下半身へと疼くような興奮が伝わってくる。
愛花……。
お前は、まだ、俺にヤられるのは、嫌か?
「あっ……」
大人しくなった愛花の腕を放し、ちゅるりと糸を引くように指を引き抜いてやると、ソファに座った愛花に身を乗り出すようにして、もう一度、ゆっくりと口づける。
深く、熱く。互いの溢れ出る唾液で一つに溶け合ってしまう程の濃密なキス。
「はぁ……はぁぁっ……お兄ちゃ……ん……」
まさぐるように、愛花の体に手を這わす。
「やっ……んっ、……あっ……ああっ……」
熱く、途切れがちな声。荒ぶる吐息。しっとりと汗ばんだ、仄かにピンク色に上気した滑らかな肌。
「愛花……」
その全てが、愛おしい。
お前が俺の妹だろうがなんだろうが――、
「あっ……、お兄ちゃん……」
愛花が呻いた。
「脚、開きな」
その言葉に、床に跪き愛花の方に身を乗り出す俺の前で、愛花の細くて柔らかい脚が開いていく。暗い影を落とす太股の付け根の奥で、ぬちゃっという卑猥な音がした。
「恥ずかしい……」
愛花が小さく震える。その可愛らしい姿とは裏腹に、俺の前に開かれた赤く火照った愛花の奥底からは、たった今たっぷりと貫いてやったばかりだというのに、更に俺のモノを求めるかのようなトロトロとした愛液が滲み出てくる。
「愛花……」
その全てが、愛おしい。
俺がお前の兄貴だろうがなんだろうが――、
「あっ……、お兄ちゃん……」
熱い息の下で、愛花が俺を呼ぶ。
「愛花」
俺は、お前を……。
愛花。
「あっ……ああっ、お兄ちゃん……、あっ!……」
……。
気持ちいいよな、愛花?
【FIN】