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フェアリーの集会場
【ファンタジー 恋愛小説】

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フェアリーの集会場-1

夏休み...オレは一ヶ月間家を離れ、今まで貯めたお金で旅行に行くことにした。

電車に乗って旅行先についた。
「田舎だな〜」
周りは見渡す限り水田だ。遠くには大森林、空気がおいしい。

すがすがしい気分で宿泊先へと向かっていたオレは、小さな湖を見つけた。
よく見つけたものだ。木で覆い隠されているところをなぜか目に飛び込んできた。

木をかきわけ、湖にたどりついた。
「綺麗だ...」
水は透き通り、木に囲まれている。湖の辺には緋色の蝶が群れている。

「こんな蝶、みたことないな」

昆虫に詳しいわけではないけれど、その蝶があまりにも綺麗なので見とれながら思った。

「フェアリーっていうんだよ」

驚いた。いつの間にか女の子が隣にいた。いやもっと驚いたのはその女の子の可愛いさだ。オレは一瞬で心を奪われ、蝶から女の子にくぎづけになった。

「へ〜 フェアリーっていうんだ綺麗だね」
オレは出来るだけ仲良くなりたくて、どうでもいい話を持ち出した。

女の子はニコッと笑い、話を続けた。二人はすぐに意気投合し、いろんな話をした。会話がとまることはなかった。

オレは旅行のほとんどの時間を彼女に費やした。彼女はいつだって湖にいた...フェアリーと共に。

ある日、オレは尋ねてみた。
「いつもここにいるよね。一度キミの家にいきたいんだけど」

彼女はまたニコッと笑った。でも...返答はなかった。

オレはすごく気になった。だからいつもの別れの夕暮れ時、いつものように湖に残る彼女を木の陰から見ていた。

彼女は三角座りをしながら無言で湖を見つめていた。彼女の周りにはフェアリーが飛び踊っている。

そして彼女は突然立ち上がると、湖に向かって歩きだした。

驚いた。これは...自殺!
オレは木の陰から飛び出し、彼女を止めに走った。
「やめろ!!!」
そう言って彼女の左手を掴もうとした。が掴めない。いや、すりぬけたというべきか?オレの右手は彼女の左手を貫通していた。

目を疑った。いやそれよりも彼女に触れているはずなのに、なんの感触もない。
彼女は哀しそうな顔で口を開いた。

「私、地縛霊なの」

言ってることが理解できない。全く訳がわからずオレは聞いた。

「どういうこと?」

彼女はしばらくして答えた。


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