フェアリーの集会場-2
「この湖で自殺したんだ...私。学校でいじめられて。」
「でも私...死ぬ前に、友達がほしいって心のどこかで思ったの」
「そしたら、現世に念が残って霊になったの」
やっと理解できたオレだったけど、彼女が幽霊だったことがすごく哀しかった。
長い沈黙のあと、彼女が口を開く。
「友達ができてよかった。」「すごく嬉しかった」
彼女に友達と言われたことがオレの胸を切り裂く。
ふと気付いた。彼女がどんどん薄く、透明に近くなっていく。
彼女はまたニコッと笑い言った。
「お別れだね」
「私の念は果たされた...もうこの世界にはいられないわ」
突然の別れを告げられたオレは涙を流すことしか出来なかった。
「ありがとう」
そう言って彼女は姿を消した。
言えなかった。
彼女に好きだと言うことが言えなかった...。
彼女がいなくなった湖は、あまりにも寂しかった。
フェアリーの微かな羽音だけが湖を包んでいた。